暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
05 「再会と出会い」
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いていた。彼女の中では様々な感情が渦巻いているのか、フォークを持っていた手が震えている。そんなはやてを心配してシグナム達が心配そうに声をかけるが、彼女の意識は俺だけに向いている。

「ショウくん……今何て言うたん?」
「いや……別に」
「何で嘘つくん? 今……いなくなるって言うたよな?」

 はやての顔は徐々に崩れていき、今にも泣きそうだ。彼女は足が動かないことも忘れてしまっているのか、勢い良くこちらに来ようとする。
 その素振りを感じ取った俺ははやてよりも先に動いて、彼女を抱き止めた。先ほどまでならばシャマルが茶々を入れていただろうが、彼女も大人。空気を読めないわけではないようだ。

「なぁ……どっかに行ってまうんか?」
「……行かないよ」
「じゃあ何で誤魔化そうとしたん? 今も誤魔化そうとしてるんやないの? 黙っていなくなるとか、わたし……許さん……」

 胸に顔を埋めて訴えてくるはやての声は今にも泣きそうで……。彼女は俺の身体を強く抱き締めながら、さらに続ける。

「……ごめん、ごめんな。わたし、嫌な子や……いなくなるにしても、仕方がない事情があるはずやのに、わがまま言うて……」
「謝らなくていい。お前は嫌な子じゃないよ……嫌な子は俺だ。2ヶ月も会わなかったんだから、もう会えないんじゃないかって思ってもおかしくないのに……ごめんな」

 俺ははやてを抱き締めながら、彼女を安心させるように頭を撫でる。
 いつの日か訪れるであろう別れ。でもそれは今じゃない。余計なことは考えないと決めていたのに……またやってしまった。彼女には笑顔でいてほしいと思っているのに、最近は泣かせそうになってばかり。はやてを傷つけてしまう自分を一日でも早く変えてしまいたい。

「少なくても……今すぐにいなくなったりしない」
「……ほんま?」
「ああ。俺はどこにも行かないし、これからは前みたいにここに来るから」
「……約束やからな」
「ああ、約束だ」



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