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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第16話「私とチンピラとオークの僧侶」
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敷や客の横暴で泣くのはいつも

現場で作業する人間だ。それはきっとこの世界でも変わらないんだろうと思った。

だから、私は謙虚に生きなければ、とイダは思う。

(女将さんの態度だって、当たり前のことだ。そういうもんだと思わなきゃいけない。

でも、あの笑顔がどうしても引っかかった。はて、私はどうしてあんな目で…

品定めでもするような目で見られたんだろう。まさか)

彼女が昔読んだファンタジー漫画で、泊まった宿が人身売買もしていた、という

オルレアンの噂みたい話は確かにあったが、こんな大勢がいる場所、

しかも父親もいる場所でそんなことはありえないはずだ。

…だとするなら、どういうことなんだろう。わからない。

イダがそう思っていると、ストランディンはミルクを口にしながら笑う。

「―――鼻の効く人っているから。そういうことでしょ?」

薄く苦味を我慢するような顔で笑う彼女に、イダは思い当たる。

(…なるほど。ドライベールさんと商売してきたこと、見てた人がいたのね。

或いは、袋がなくなってたから商売してきて金があると踏んだか)

それなら別に構わない。そうであるなら、さっさと料理を片付けて上に戻るだけだ。

「…」

スっとイダの脇をフードをかぶった男が通りすぎる。何をするでもなく通りすぎる。

通り過ぎた影はそのまま小さい方の扉を開けて足早に去っていく。

そう。イダの思いが定まったのを見計らったように、一つ影が宿から出ていったことに

彼女も男爵の娘も気づくことはなかった…



―――如何に気をつけていようとも、そういう時は往々にあるものだ。

イダはそれを今思い知っていた。いかにもチンピラ風の男が二人、彼女らの座る席に

突然強引に相席しようとしてきたのである。

―――低脂肪乳なんて飲めると思わなかったから楽しんでたのに、何こいつら。

イダの目のクマが濃さを増したようにストランディンには思えた。

少なくとも、そのジト目とクマの濃さが彼女の不機嫌を表しているのは確かだろう。

「よう、お嬢ちゃん。同席させてもらっていいか?悪いこたしねえからよお」

「…わかりました。席が空いてるようなので、移動します。ストラ、行こう」

品のない言葉にイダは呆れ気味にそう返した。下手な挑発をしてはダメ、ということは

イダも十分承知していたが挑発にならないよう穏やかに穏やかに笑みさえ浮かべて

言葉をひねり出した。まあ、こんなんじゃ引き下がらないだろうと思いながら。

「そうじゃねえんだよ。お嬢さんがたと飲みてえんだよ。なあ」

「そうだそうだ!いいじゃねえか、あんだろ?」

…何を言いたいのかよくわかった。こいつも
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