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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第13話「私、商会の人に会う」
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言葉をかける。

「そういうことだ。あそこにゃ何があるかわからんからな。俺もくれると言われるままに

もらっただけだ。どうしてあるのか、なんて知らんよ。まあ、くれた理由だけは

想像がつくがね。俺はまだ先年の税を一ケーロスたりと払ってないからな」

リックの言葉は嘘ばかりだ。真実は税を払っていないことのみ。

だが、それが嘘でもドライベールには確かめる術は一切ない。

遣いの森の禁足地に立ち入ることは絶対にできないのだ。

もし立ち入ったなら…ドライベールもリックも、勿論グウェンもどうなるか知っている。

すなわち…二度と森の外には出られない、ということだ。

それがわかっているからこそ、安心して嘘がつけるというものだった。

「森守の連中も、俺らがいなくなっちゃ困るんだろうよ。なあ?」

グウェンはそう声をかけられて「然り然りにゃー」とおどけながら言ったのだった。

ドライベールは目を見合わせて頷くかつての仲間と桃色のグラスランナーの様子に

「また厄介事を拾ったようですね、リック…まあ、いいでしょう」と答え、

それ以上詮索はしないと言外に伝える。

「―――全部で300カサスで受け取りましょう。友人価格で」

…沈黙が、今度は壮絶な沈黙が流れた。イダも、ストランディンたちも、グウェンですら

当然リックも口を大きく開いて呆然としていた。

「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!ちょっと待て!!どういうこった!

俺らが持ってきたのは30ラグロムくらいだぞ!!精々がカサス15枚ってところだろうが!」

ラグロム…は、重さの単位で概ね1.3kgとなる。おおよそ40kgを彼らは持ってきていた。

「適正価格です。胡椒の量が多いこと、特に長胡椒や処理済みの黒胡椒ではなく、

産地でとれたての緑胡椒のままである、ということが大きい。緑胡椒は珍品中の珍品。

塩漬けか酢漬けにして供するのですが、こんなものは10年に一度お目にかかれるか否か。

冒険者時代に何度か話しましたね?」

ドライベールはふう、と息を吐いて

「この品質ならば、提示した価格の数倍…カサス1000枚以上で売り込めるでしょう。

いえ、王宮に献上すべき代物かもしれません」と天を仰いで続けた。

…あ。とイダは心の中で思った。胡椒は未熟な実を乾燥させて作る黒胡椒と

完熟した実を処理して作る白胡椒、種類の違う赤胡椒や長胡椒などがある。

黒胡椒の原料になる緑の未熟な身。それはグリーンペッパーと呼ばれ、

現代ではステーキなどのソースや付け合せに使用されるものだ。

中世から近世では余程の僥倖がなければ見る機会もなかっただろう。

そりゃそうだ。なんで今まで気
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