第二十一話 夜行性童顔少年
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赤面の吸血鬼《ブラッシュヴァンパイア》のS級魔道士は、甘くないよ。」
今度は欠伸をしないで言った。童顔の少年は右手に持っていた手縫いの熊のぬいぐるみを持ち直すと、
キ「後、僕はあんたじゃなくて・・・キッキ・ロッシュっていう名前があるんだよ。」
今度も欠伸をしないで言えた。私は金色の鍵を一本手に取ると、
ル「私も、お嬢さんじゃなくて、ルーシィ・ハートフィリアっていう名前があるのよ!開け、巨蟹宮の扉・・・キャンサー!!」
鍵を上下に振るうと、青いシャツにサングラス、両手にはさみを持った星霊、キャンサーが現れた。
キャ「今日はどんな髪型にするエビ?」
ル「空気読んでくれるぅっ!?あいつを倒しちゃって!」
キャ「了解エビ。」
蟹なのに、何で語尾がエビなのかは不明なのよねぇ〜。キャンサーははさみを構えてキッキの男にしては少し長い紫色の髪の毛を切ろうとした。・・・したんだけど、それより一足先に、
キ「闇刹那・・・」
キッキが呟いた瞬間、辺りが漆黒の闇に包まれた。辺りはもちろん、キャンサーもキッキの姿も見えない。唯一見えるのは、部屋に映し出されたCGの満天の星だけ。
ル「キャ、キャンサー、どこぉ〜?」
手を前で上下に動かしながら一歩一歩ゆっくり進む。その時、
キ「闇拳。」
キャ「エビィィィィィィィィィィッ!!」
ル「!キャ、キャンサー!?」
すぐ近くでキッキの声とキャンサーの声が聞こえた。
キ「闇斬。」
ル「キャアァアアッ!」
背中に何かが斬られたような痛みが走る。私はその場にドサッと倒れ込む。それと同時に、部屋が明るくなった。いつの間にか私の傍にキッキがいて、キャンサーの姿はどこにも無かった。キッキは倒れ込んでいる私を眠そうな目で見下ろしていた。私は痛みを我慢しながらゆっくりと起き上がると、
ル「な、何で・・見え、たの・・・?」
私の問いに、キッキは眠そうな目を擦りながら、
キ「・・・僕は、明るいところでは、こうやって眠そうにしてるけど・・・・暗いところでは、梟、みたいに・・どこでも見える、んだ・・・だから、あの、エビ蟹星霊の位置も、お嬢・・・いや、ルーシィの位置も・・・分かった、んだ・・・ふわわわわわぁ〜・・・・」
ル「あんたは夜行性かいっ!」
思わず突っ込んだ。だって可笑しいじゃない。人間は朝起きて夜寝るのに、キッキは朝寝て夜起きるみたいな、真逆になってるじゃないの!!
キ「それが僕なんだよ・・・闇刹那。」
また辺りが漆黒の闇に包まれた。目の前にいたキッキの姿さえも見えない。
ル「ど、どう
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