鬼と龍の兄弟は V
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「だから、寒いからって俺のベッドに入ってくるのはやめろ!」
「あり、ばれてらぁ」
「そりゃばれるわ」
朝。鬼炎が悪戯に舌を出すと、それを見た龍炎は溜息をついて眼の下の隈をこすった。
「――で、鬼炎。俺は宝石の鑑定で寝ていなかった。そしてやっと終わり寝ようとしていたところに、バッチリ9時間は寝ているお前がやってきて俺は安眠を妨げられたわけだ」
「おお、寝てないのに饒舌だな、龍炎」
「話を逸らすなよ? 俺は眠い。今すぐにでも安眠カプセルに入って寝てしまいたいところだが・・・用事は何だ」
寝不足により少し充血した眼を細めて、龍炎。
「あ、そうだった。ニュース見なよ」
そう言ってTVのスイッチを入れると、龍炎の視界いっぱいに"『鬼龍』現る!"という文字が浮かんだ。
「おかしいな」
「だろ? 俺らはあの男たちを殺してはないし、あんなに派手に盗んだことはないぜ?」
確かに、鬼龍兄弟は窓ガラスを割ったりしない。人も殺さない。最低限の区分はわきまえているのだ。
「――とすると、俺ら以外の誰かか」
「だな」
2人のやることは決まった。
「犯人捜して、ぶっ殺す」
「同感だ。大方、模倣犯でも装ったか偶然俺らを目撃したかだろうがな。まあ、殺すのはナシで」
眼をギラギラさせる鬼炎に苦笑し、ガラスを割られた『ジェラーノ』と搬送されていく男たちの死体を見つめる龍炎。
「拷問までなら・・・オッケー?」
「キャラじゃねぇだろ、龍炎は」
鬼炎は、ハハ、と笑ってTVを消す。
「あ、宝石はどうだった? 俺はあんまり興味ないんだけど、売るのか?」
「売るに決まってる! ゼルノさんの所に持っていってくれ。俺は寝る」
瞳をギンッと見開いて金への執着を露にする龍炎だが、すぐに閉じていく重い瞼が彼の格好良さを半減させていた。
「あー、もうダメだ。眠い」
フラフラとソファに向かい、前のめりに倒れる。そのまま寝てしまった龍炎を見た鬼炎は少し笑い、彼の体に毛布をかけて家を出た。
ゼルノと呼ばれた宝石商のところへ向かう鬼炎の前に、警組織の電動ポリスが出てくる。
「え? マジかよ」
と後ろを振り向くと、警官だけに与えられるらしいコート『バニスリー』を着た警官たちが銃を構え、無言で佇んでいた。
「バニスリーね・・・気配消すとか反則だし、挟み討ちとかけっこう古りぃと思うぜ?」
でも、あんま死角がないんだよなぁ・・・と呟いた鬼炎は
「じゃあ、上で!」
飛び上がる。それと同時に、銃を構えた警官たちは容赦なく鬼炎を撃った。
「面倒臭ぇなもう! 火炎か、捕獲か、それとも鉛か!?」
そう言って財布を取り出し、中にある紙を握って「消えうせろ、ハタニ!」と叫ん
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