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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第12話「私、保留にしてみる」
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こで判断する。それまでは保留よ」

イダはフェーブルとストランディンの肩に手を置く。

「…今はそれで十分です。今は…」

フェーブルの言葉に、彼女はうんうんと頷いて、グウェンのことを見やった。

グウェンもまた「乗りかかった船だし、しゃあないにゃあ」と言ってニッコリ嗤う。

三人とも考えは同じだ。いきなりヤラれた重い…自分の心をイダの秘密に差し出すという

フェーブルの行為に驚いてしまったので、彼女たちを少し試したのだ。

それでも保留ということにしたのは、やはり本当に彼女らが男爵家の娘であるかどうか

判断材料が「割りとお金のかかった装備」という一点しかなかったためである。

「…あんたらがいない間の、領地の経営はどうしてるんだ、お嬢さんがた?」

リックの声に、ストランディンが「乳母と幼馴染の士官がなんとかしてる」と答えた。

…リックはその言葉に、一瞬嫌な考えが浮かんだが、杞憂であれ、と

その考えを打ち消した。考えても仕方ないことは考えない。

それはリックも娘と同じ考え方をしていた。

「あんたらいくつ?」

突然、そんな言葉をイダは紡いだ。

「…二人共16歳よ。それがどうしたの?」

保留、という言葉を聞いて、まだ希望があると思ったか表情を緩めた二人にかけられた

その問に、ストランディンは怪訝な表情を作ってそう答えた。

…その答えにイダはまず驚いた。現代の日本人なら多くはそう思うだろう。

しかし、古くは日本でも15歳で元服し成人とみなされていたのだ。おかしくはない。

だが、そんな年の彼女たちが貴族の家を支えなければいけない、というところに、

時代の悲哀のようなものをイダは感じていた。

「そっかー、お姉さんだったんだ。私、15歳」

「え?10歳くらいにしか見えない…けど?」

ハハハー、と笑うイダにストランディンが返したその言葉。

ガスッ! 「痛ッ!?」「誰がチビだってぇ〜〜このロリコンがァ〜〜〜!」

イダはちょっとムカッと来て、彼女にチョップを食らわしたのであった。

「ロリコンって何よ!?」「そんなこと、私が知るか!」「ハァ!?」

今までの空気を振り払うように、イダはストランディンに絡み始め、それを見た

リックらはそれぞれに安堵の溜息をついた。

…安堵の溜息をつくと、リックは下へ行って酒を取ってくる、と言って扉を開けた。

夜はまだ早い。残った重い空気は、酒で払拭してしまえばいい。

リックとグウェンは、無礼講として法で飲酒の禁じられた年の三人にも飲ませてしまおう。

そう考えていた。もう一度、階段を降りていくリックと、

イダとストランディンのじゃれ合いを見つめるグウェンはそう
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