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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第10話「私、初めての実戦」
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少なくとも5本は砕き折られ、そのまま草の壁に畳ごと頭部が

叩きつけられ動かなくなる。死んだかどうかはワカラナイ。

イダはやりすぎた、と一瞬思った。逡巡は隙となり、そこに襲いかかる盗賊が一人。

「なめやがって!」

後ろから迫っていた三下が、短刀を腰溜めに構え突進してきた。

このままじゃ、刺される!

イダがそう思って、やばい、と振り向こうとした瞬間、脇を何かが駆け抜けた。

「にゃりーん!そんなことはさせないにゃあ」とグウェンだ。

グウェンは哀れな男に足払いをかけ転倒させると、首筋を掻き切った。

特訓の際に、グウェンが見せてくれた必殺の連携だ。

「これがお手本にゃ」とギラリとした目でイダに向けてつぶやき、彼女の背中に張り付く。

「さー、さっさと走ってお嬢さんそにょ2のところへいくにゃあ」

そう言って、彼女を促すと、再び駆け出し盗賊たちの撹乱を始める。

「くそっ!ちょこまかと!」「よくもギンチャを!」

激高して彼女を追う盗賊だが、彼女の足の速さには叶わない。

そうこうしてるうちに、ストランディンが盗賊の一人の頭に爪のついた手甲の一撃を

食らわしその動きを止める。死んだのか、死んでいないのかはワカラナイが、

暴れるリック、撹乱するグウェンの助けもあり、そこに包囲の穴が開いた。

「よしっ!行こう、ストラ!!」

イダの言葉に目配せで答えて、ストランディンも走りだす。

その時、向かう先から小さな霧の固まりのようなものが幾つか渦巻いているのが見えた。

『眠りよ!命に天寿に至るまでの休息を!!』

少女の…フェーブルの声が弾けると、小さな雲のようなものが3つ飛んでくる。

それはイダたちを追おうとしていた盗賊たちの顔に当たり、二人を昏倒させ、

もう一人を怯ませた。魔素魔法の初歩である「眠りの霧(スリープフォグ)」である。

「今よ!こっちまで!」

フェーブルの声に従い突進する。盗賊はもう追ってこない。大丈夫だ。

「ようし!フェーブルっ!大丈夫!?」

ストランディンの叫びに応えるように、フェーブルの肩の力が抜ける。

…瞬時、違和感。そういえば、あの男はどこへ行った?

イダはフェーブルのところまでたどり着くと、周辺を警戒した。

あれからあの盗賊の頭はどこへ行ったのか。それがわかるまで安心できない。

そう思って、短刀を構えていると、フェーブルが悲鳴を上げた。

「きゃああッ!?」

見れば、闇から現れた盗賊の頭がフェーブルの首を捕まえている。

「フェーブルっ!!」

「アンタ…!」

声を上げるイダとストラを一瞬見やり、盗賊の頭はニヤリと笑った。

「…こっちじゃないな。さあ
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