第九十八話 名前の意味
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の輪が広がって世界中の人が皆を助け合えるようになる!!そんな世界を、そんな明日を、僕たちは信じているんだ!!』
落とされていない数少ないドラグーンと共にキラが逃げ道を塞ぐようにビームを放つ。だが、その攻撃も予想していたのか、造作もなく振り払うかのように残ったドラグーンも撃ち落とした。
「ならそこに、逆の結果も考慮すべきだな。幸福の連鎖が広がるなら、不幸の連鎖もまた広がるものだと」
結局は堂々巡り。人を信じたいキラと、人を信じていないクラウでは水掛け論にしかならないし、その意見にクラウが譲歩することなどありえない。何故なら、彼の人格を、この理屈を形成させたのは長い年月と数多くの世界だからだ。
『だとしても、貴方のその機体を認めるわけにはいかない!!』
「違う違うと結局は他人を否定するばかり。いや、納得できない意見や在り方は聞く耳すら持たないというべきか?」
追随するキラを鬱陶し気にナギナタを抜き、振り向いて斬ろうとする。キラはその不意の攻撃を躱して、ビームサーベルで反撃したがそれはナギナタの持ち手の部分によって防がれた。
「さて、問題だ。これまで逃げるように俺は移動し続けたわけだが、ここには誰がいるか?」
いきなり訳の分からないことを言われるが、キラは索敵による周辺情報によって何を尋ねたのかに気付く。
『なッ、アークエンジェル!?』
キラは、いやキラだけではない。アークエンジェルも含めて彼らは移動先を誘導されていたのだ。
「命令通り任務を果たせるかは微妙なラインだったけど、リリー・マルレーンはきちんとその役割は果たしてくれたみたいだね。さて、ここからどう動く?」
キラは戦力が増えたなどと素直に喜べる状況ではない。彼らの動きは総て盤上の駒のように見透かされていたという事なのだ。つまり、アークエンジェルとキラの両方を刺せる位置にクラウがいる。
「チェックをかけることすらまだ遠いけど、追い詰められているこの状況でどう対応する気だい?」
『……ッ!こんな、狡い手を使って!?』
そんな風にキラは言ってくるが、それに対してクラウは冷ややかな目を向けるだけだ。戦争でそれを言ったらおしまいだろうに、と思いつつクラウは淡々と追い詰める。
『キラ君!?MS隊に下がる様に伝えて!こちらから砲撃で援護します!』
アークエンジェルのラミアス艦長達も追い詰められている状況に気付いたのだろう。そして、自分たちがある意味で足を引っ張っている事にも。だからこそ、彼らはアークエンジェルの艦砲射撃による援護を行うとする。前にいるMS隊は射線の邪魔になると判断したマリューはMS隊を後方に下がらすようにも指示した。
「甘い……甘い過ぎるよ。本気で落とそうってい
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