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赤城と烈風
防衛の要
12試艦上戦闘機『紫電』、試製中戦『飛燕』
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も視野に入れ性能向上を模索。
 現場の搭乗員達に充分な意思疎通が図り、発着艦性能は大目に見て飛行性能を最優先。

 構造に余裕があり馬力の向上が見込める三菱A10火星、川崎製の光が最適と判断。
 栄と同じ空冷星型単列14気筒ですが直径1340ミリ、一回り大型の発動機を選択します。


 発動機を換装した改造機が準備され、飛行試験を実施しますが思わぬ問題が発生。
 機首と胴体の継ぎ目、段差に渦流が生じ操縦性能が大きく損なわれると判明。

 最強の戦闘機を創造する熱意と執念は様々な可能性を探り、或る方策を見出します。
 タンク博士の設計した単発戦闘機、フォッケウルフfw190が参考(ヒント)になりました。

 機首発動機装着部と胴体断面には、ロケット噴射式排気管が埋め込まれています。
 胴体を遙かに上回る直径の発動機を機首に搭載、渦流を吹き飛ばす工夫が施されていたのです。



 12試艦上局地戦闘機の陸上機型、発動機を換装した試製『紫電』へ同様の工夫を適用。
 ロケット噴射式排気管の効果が発揮され、操縦性能の改善が確認されました。

 陸軍は直ちに先行量産型の試製『飛燕』、全機に改造を適用し製造工程を追加。
 A10光の出力向上も計画されていますが、川崎の設計陣はA18木星への換装も考慮。

 空冷星型18気筒の三菱A18木星は現在、初号機(プロトタイプ)の性能審査中ですが。
 海軍では艦上機の制約を取り外し、陸上局地戦闘機『紫電改』と呼称し開発を促進。


 A18木星はカム配列を見直す改良案が浮上、前方集中式から前後分離式へ変更を計画。
 点検整備作業が容易になり、信頼性と稼働率は格段に向上すると期待されています。

 改良案は仮称E型の名称が定着、審査中の初号機と同形式の量産型は木星A型と呼称。
 A18木星A型の回転数は2450回転/分でしたが、改良案は2600回転/分を予定。

 プラット&ホイットニー及びライト社製の発動機、2600〜2700回転/分と同等です。
 離昇出力も1900馬力から2300馬力へ向上すると見積もられ、試作と実験が進行中です


 手間隙掛けて製作した試作品の額面情報(カタログデータ)が優秀でも、それだけでは意味がありません。
 量産され戦場に送られる多数の実用品が、安定して性能を発揮される事が求められます。

『次善は間に合わない、最善は遂に完成しない。第3善を、戦場へ送れ』
 名文句を遺した電波探信儀(レーダー)の開発担当者に倣い、有言実行が必要です。

 直径は変わりませんが、重量は1260kgへ増大しています。
 重量の増大は止むを得ない物と、関係者全員が認識しています。



 三菱のみならず液冷発動機の国産化に挑んだ
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