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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第8話「私、向かう」
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フや野走たちの守る遣いの森の中にはあまり魔物は存在していない。

魔物たちは夏に繁殖する希少な食料系モンスター以外はあまり出現しないのだ。

それは取りも直さず、森を出ればモンスターが居るということでもある。

気を引き締めろよ、悪ガキども。

リックは目線でそう告げると、多くの冒険者や隊商が踏み固めた「旅人の道」を

慣れた風情で見つけ、そこへ二人を誘導。そして、再び行進が開始された。

歩く、歩く、歩く。沈思黙考しつつ、彼女は歩き続ける。

すでに低木は消えた。後は旅人の道をたどって2日ほど歩くと冒険者の中継点である。

「ところで、そのバッグと袋の力はなんで使えるようになったんだろうな?」

リックの素朴な疑問がその時投げかけられた。

「…わかんない。無我夢中だったし」

(なんで転生したかもよくわかんないし。魔王を倒せ、ってことくらいしか…)

イダは心の中でそうつぶやく。その声は何度も遠くから聞こえるように彼女の心に

楔のように打ち込まれていく。それを感じながら、イダは言った。

「本当に突然過ぎてよくワカラナイけど…これが役に立つ力なら使え、ってお父さんも

言ってくれたし、大丈夫だと思う…多分、おそらく、きっと」

自信無さ気にイダはいう。昔からこうだ。自信のあることはがっちり答えられるが、

そうでない時はどうしても人に確認しようと思ってしまう。だから、止まる…

「そうだったな。そうだ。そういうことだ。この帝国の初代もお前みたいなのを

そばに追いてたっていうからな。うまく使えばいい…」

最初にこの力の話をした時と同じ。その話をしてリックは押し黙った。

すでに太陽は稜線に消えつつある。イダは「野営の準備するね」と言うと、

手慣れた様子で準備を始めるイダを見つめながら、リックは少し深く考えていた。

―――俺は娘に野営の準備の仕方を教えたことがあるだろうか。

前に冒険者の中継点へ連れて行った時はもっと幼かった。だから、準備は俺と

ヴァレリーで全て行った。だから、野営の準備の仕方を娘が知るわけがない。

…ジェイガンだろうか。いや、エルフたちは野営をする時に火を使わない。

エルフたちは火をかなり嫌う。炊事の時に限定的に使用するだけだ。

森を傷つけかねない野営時には、たとえ人間やグラスランナーが居る時でも、

いい顔をしないものが多い。更に、グウェンはそんなことは教えない。

彼女は報酬がなければ教えることなどしない、生粋のグラスランナーだ。

あの力を手に入れる前のイダに教える可能性は低い。

転生…の記憶とでも云うのだろうか。だったらその秘密は守らんとな…

…国に利用される、なんてことも考えら
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