第十話
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まだ二日ほどしかたってないのに……今の話だったらもう何日か経ってるだろ?」
確かに俊司が目覚めてからここに到着するまでの日数は、死後の裁判に関する時間を考えてもせいぜい三日ほどだ。しかし、紫達が紅魔館への進軍を決定するまでの間を考えると、おそらく一週間は経っているだろう。
一同は訳が分からず首をかしげる中、当の本人である映姫が口を開いた。
「当たり前です。あなたが目覚めるまで四日が経ってますから」
映姫がそう言った瞬間、一同から驚きの声が漏れた。
「なっなんでですか!?」
「当たり前です。地獄での裁判も急に予定を変えるなんて出来ませんからね。その間は目覚めないよう小町に管理させていました」
「じゃあ……船で俺の死体を見た時、死後硬直が見られなかったのは……」
「あたいが管理してた間にとけちゃったからね」
小町は笑いながらそう言った。
だがよくよく考えれば、その時間のずれがあったからこそこの結果が生まれたのだろう。もし俊司がもう少し目覚めるのが早かったなら、太陽の畑では手錠の真実を知らず、メディスンを助けることは出来なかったし、旧都での戦闘は援軍が来て長引いていたかもしれないし、紫達の救出に間に合わなかったかもしれない。そう考えれば全部結果オーライなんだというわけだ。
その後今度こそ満場一致で解散となり、一同はそれぞれ自室や庭など思い思いの場所に散っていった。俊司も久々の自室に帰ろうと、重い腰を上げて歩き始める。
「……なあ! 俊司くん……」
そんな彼を後方から引きとめたのは、白髪のロングヘアーをしたハクタクの妖怪上白沢慧音だった。
「はい?」
「あのさ……さっき言っていたクルトというのは……君の復讐相手なんだよな?」
「そうですが……」
「……下の名前は?」
そう言った慧音は、なぜか顔を青ざめていた。
「クルトが名前ですね。名字が……バーン……クルト・バーンですね」
「クルト……バーン……そ、そうか。ありがとう……」
慧音はひきつった笑顔を見せながら礼を言うと、そのまま振り返って自室に帰り始める。そんな彼女の手は、なぜか知らないがプルプルと震えていた。
「……なぜ?」
そんな呟きと共に。
解散後、俊司は自室でまったりと過ごしていた。内部は以外にも最後に見たころと変わっておらず、きちんと掃除もされていた。変わっている場所と言えば……鞄に入っていた例の手紙がなくなっていたぐらいだろうか。
「……あかん」
手紙の内容を思い出したのか、俊司は少し顔を赤く染めながらじっと鞄を見ていた。
そんな時だった。
「俊
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