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SAO編−白百合の刃−
SAO41−阿吽のモノクロ
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ん、わたしの知っている『漆黒』と同じね。では、それ前提で話を進めるわね」

 あえて断言はせずに、仮定として話すのはプライバシーを尊重するためなんだろうな。でも、私も剛姫も『漆黒』といったら、思い浮かぶ人物は一人しかいないんだと思うから、あんまり意味ないのでは? いや、そういう問題ではないか。変に想像しないで、剛姫の話でも聞こう。

「確かに『漆黒』は噂通り、大規模ギルドの主力がある日、突然ギルドを抜けてソロプレイヤーになった。いきなりの脱退にギルド側は更に不満を増して、憎むように裏切り者と呼ぶプレイヤーがいるの」
「更に?」
「『漆黒』は大規模ギルドに入団していた時も団体行動をよしとせず、身勝手な行動ばかり起こしていたのよ。それなのに実力は誰よりもあったから、嫉妬や不満を抱くプレイヤーは多かったみたいね。そんな人がある日を境に」
「いきなりの脱退か……めちゃくちゃだなぁ……」
「性格も可愛らしいのであれば救いがあったけど『漆黒』の性格はあのように良くてクール、悪くて冷めているのに加えて毒舌。機械のように冷たい剣士の笑顔なんて見たことないし可愛げなんてゼロに近いせいもあって、漆黒を嫌うプレイヤーの方が多かったのよね。そして何よりも『漆黒』自身がプレイヤー同士の交流を避けている。あ、フォローするとね。『漆黒』のことを嫌ってない人もいるのよ」
「剛姫も、その一人ですか?」
「ここでは言わないでおくね」

 借り物のアバターと二つ名ではなく、ちゃんとした外見とHNを持ってまた再会したら言うのだろうか。でも、剛姫が思い当たるプレイヤーが全然見当つかないから、会うのは難しそうだな……今問い詰めても言ってくれはしないだろうから、そのまま話を聞いた。

「でもあの子ね、冷たい人だけど悪い人じゃないのよ。喜んだり、怒ったり、哀しんだり、楽しんだりする、どこにいてもおかしくない普通の女の子なのよ。」
「そうなんですか?」
「推測だけどね。でも、そんな気がする」
「そういうの、わかるんですか?」
「どうかな。漆黒は普段クールだから表情がわからないし、何を考えているのかわからない。わたしが勝手に思っているだけで、本人は全くの別物というか、見た目通りの人かもしれない。だけど、漆黒は悪い人じゃない、むしろ優しい人で不器用な人だと、わたしはそう見えるわ」
「優しい、か……」

 漆黒はめちゃくちゃだ、自分勝手だ。私がやめてと言っても聞き入れずに無茶でしんどいスイッチを仕掛ける。だけど、その中に優しさがあるのだろうか。私には、まだ漆黒の優しさはわからない。でも、私もなんとなくわかるのは……。

「悪い人だったら……ここにいませんよね?」
「それは白の剣士で確かめたらどうかな? 漆黒のパートナーは白百合の貴女なんだから」
「なんですか、白百
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