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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第5話「私、説得してみた」
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…皇家の始祖、つまり初代皇帝は強力な上代精霊魔術を使ったという。

よく覚えておけ、イダ、ジェイガン。上位精霊と契約をして、上代精霊魔術を使うということは、

それは末代まで呪いを引継ぐということだ。もし「森を犯さぬ」という古い盟約を破れば、

それは皇家に振りかかる呪いとなるだろうよ。それを無視してまで、っていう大馬鹿野郎が皇帝なら、

黙っててもそのうち遣いの森に無理難題ふっかけてくるだろうさ」

リックはくつくつと笑っている。その顔を、イダは「意地悪う」と批判的な目で見つめていた。

そう、森の精霊であるゲブリュールはすなわち、森の持つ悪意の象徴でもある。

森に潜む猛獣、悪人、そして何より人を迷わせる森そのものに影響を与えるのだ。

それとの盟約を破るということは、森の呪いを受け破滅することに直結しかねないのである。

「…つまり、森の奥でエルフさんたちが拾ってきたものをもらった、ってことにするっていうこと?」

イダが眉をひそめると、リックは我が意を得たり、とにっこり微笑んだ。

「そうだ。少しの量ならそれで誤魔化せるだろう。それに、この鮮度の肉なら香辛料を使わんでも十分うまい。

肉なら森で仕留めた、とでも言えば誤魔化せるだろう。それに…その、なんだ」

…リックの目の前には香辛料の他に、白い筋が大量に入った塊肉が置かれている。

見る人が見ればわかる。間違いなく松阪牛の最高級品、極上の霜降り肉がそこに置かれていたのである。

「これ、牛肉だ、って言って信じる奴はいねえぞ。なんだこの脂の量。何食わしたらこんなになるんだ?」

そんなこと、聞かれてもわかるわけがない。イダに畜産の知識なんて欠片ほどにもありはしないのだ。

「うーん…まあ、多分種類が違うんじゃないかな…」

イダが自信無さ気にそう言うと、リックはまあ気にするな、と言って嘆息した。

「にゃあ。でも、噂になってリピーター増えたらどうするにゃ?会員制にすんの、やっぱし?」

グウェンがにゃあにゃあとまるで猫のようにゴロゴロソファーに転がる。

すると、その動きを抑えるようにヴァレリーが横に座り、そしてグウェンの頭を優しく抱いた。

「そのへんは問題ないんじゃないかしら。そもそも馴染みの冒険者さんか、本当の迷子さんか、

遣いの森に踏み込んで殺されなくて済んだ罪人さんたちしか来ないわけだし。夏や冬でもそうでしょう?」

その分、そうした数少ないお客さんに楽しんでもらいましょう、と目が言っている。

―――肉や麦を買わなくて済むようになるだけで十分。むしろ大助かり。イダちゃんGJ。

目は口程に物を言う。ヴァレリーの目はそう言いたげに細められていた。元々細目なのではあるが。

「とりあ
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