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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第1話「私、思い出した」
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そんなものに来られてみなさい…森がなくなるわ!
イダは心のなかで叫ぶと、自分が両親をやけに過大評価していることに気づく。
「…いや、ないない。軍隊とか来るわけ無い。確かに腕っ節は強いし、経営に無頓着なだけで頭も悪くない。
実際、エルフさんの禁足地にとんでもない罠を作ったの、お父さんとお母さんらしいし…」
イダはつぶやきながら歩いていく。
「そういえば、なんで帝都に近寄るのを嫌がるのかしら…別に、ちょっと行って、冒険者の店にでも売ってくれば足も付かないと…」
ぶちぶち、ぶちぶちとひとりごとを続けながら森を歩いていく。
「まさか、犯罪者、だった、とか?ないわー…だったら、もう軍警が来てるだろうし。はあ…」
「イダ」
「っていうか、おかしいにもほどがあるわ。やれやれ」
「イダってば」
「いつか問いたださないと…って、ヤズ?いたの?」
何度も呼びかけていたのだろう。うんざりとした風情で眉をひそめ、ヤズは言った
「いたよ。っていうか、ココをどこだと思ってるんだ。いい場所についたよ」
ヤズがそう言うと、周りは焼け焦げたような石と土がむき出しになった場所だった。
ところどころ破壊され、その「剥き出し」は円形に広がっていた。
「ちょ…ここ…」
イダが呆然として漏れた声に、ヤズは「何か、最近出来たみたいなんだけど…粘土がほら、むき出しになってる。
石もいいものがゴロゴロしてるよ。」と言って地面に腰を下ろした。
「どうしたんだい?口をパクパクさせて」
なんでそんな顔をしているのかわからない。そう言いたげにヤズはひとつの石にしがみついた。
「これって…爆発の後じゃない!ナニコレねえ!なにこれチョセンジン!?」
「…相変わらず、たまにわけわからないこと言うな。なんだ、チョセンジンって」
ジト目で観られながらも、イダは叫んだ。
「なんで!?こんなところで爆発なんて…家から、2時間も歩いてないじゃない!お父さんたちが気づかないわけ…」
ないわけがない。彼女はその言葉を紡ぐことができなかった。何者かに、突然に口をふさがれ、そしてその柔らかい腹部に打撃を受けたからだ。
「…ッ!?」
「イダッ!?」
ヤズの声はイダにしか聞こえない。イダはかすかにだけ出る声を振り絞って、彼に「…逃げて」とだけ伝えて、そしてそこで意識は刈り取られた。
―――古い話をしよう。それはこの世界では100億年ほど昔のこと。
だが、神様にとっては、100億年も1日も似たようなものだ。彼女は古い…しかし、懐かしくもない記憶を
緩々と引っ張り出しては物思いにふけっていた。背は高く、その均整の取れた肢体はどんな男でも魅了しよう。
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