暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第37話 温泉へ行こう
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い」

 鳴き声の合間に「あ 主。く くるしい」と、ウエストポーチから聞こえたのですが、今更アナスタシアをはねのける訳にも行かず見捨ててしまいました。

 アナスタシアが泣き止むまで待つと、私の服の胸元は鼻水だらけになっていました。そして泣かれている間、私とアナスタシアに挟まれていたティアは、その後すこぶる機嫌が悪かったです。



 アナスタシアが泣き止んだ所で、木の精霊が居る小島に渡りました。

「木の精霊よ。アズロック・ユーシス・ド・ドリュアスです。姿をお見せください」

 父上が代表で声を上げると、大樹より木の精霊が出て来ました。

「え!? なんで?」

 思わず声を出してしまった私は、悪くないと思いたいです。

 出て来た木の精霊は、以前の大きな姿では無く20サント位の背丈しか無かったのです。何となくですが、姿も人のそれに近くなっている様な気がします。……しかも、ちょっとデフォルメが入っていて可愛いです。

「重なりし者よ。時代はエコだ」

(え……エコ? 何故?)

 私が混乱していると、父上が聞いて来ました。

「ギルバート。聞こうと思って忘れていたのだが、木の精霊は少し前からこの状態なのだ。エコとはどういう意味だ?」

「エコロジーやエコノミーの略称と言われています。エコロジーは自然環境に配慮しようと言う考え方で、エコノミーは経済的な配慮をしようと言う考えです。この場合は顕現する姿を小さくする事で、力の消費を抑えようとしているのだと思います」

 私は反射的に、そう答えていました。それを木の精霊が「その通りだ」と言って、肯定します。父上達は、私の答えに頷きこそしましたが、いまいちピンと来ていない様です。

「要するに、資源や資金を大切にして倹約をしようと言う事です」

 ようやくピンと来る物があった様で、父上達は笑顔で頷いてくれました。この辺の話は、後で確りしておいた方が良いかも知れませんね。しかし木の精霊は、何故エコ等と言い出したのでしょうか?

 私が疑問に思っていると、手をチクッと虫に刺された様な感覚を受けました。

 その正体を確かめると、木の精霊から糸の様な細い蔓が私の手に伸びていました。あまりの細さに、他の人達は気付いていない様です。

「(重なりし者よ。久しいな)」

(はい。お久しぶりです)

 木の精霊と有線テレパスで話し始めます。父上達は、ディーネを木の精霊に紹介していました。

「(聞きたい事は分かっている。件のエコは、貴様の頭から取り出した知識を観覧していた時に見つけた言葉だ。気に入ったので、我も使い実践しているにすぎない。それから今の我の姿は、貴様の影響を多大に受けている)」

 ちっこいデフォルメ人形みたいなのが、私の
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