暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第37話 温泉へ行こう
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前に出て、木の精霊の正面に移動します。

「先ずは、豊作の加護を頂いている範囲について教えていただきたいのです。加護がある地を優先して開拓したいので……」

「その加護の範囲は、我が森が広がった事がある場所までだ」

 木の精霊は私の頭から情報を読み取り、即答してくれました。

(そうなると、豊作の加護を本格的に受けられるのは、開拓がある程度進んでからになりますね。加護の恩恵を受けられるのは、早くても数年後か……)

「そうですか。ありがとうございます。次は……」

「待て。領地の境に、この種を植えよ」

 木の精霊は、そう言いながら大きな葉で造った袋を渡して来ました。中にはかなりの数の種が入っている様です。

「これは?」

「我と土の精霊の加護が、その種を植えた所まで届くようにする」

「よろしいのですか?」

 この場合は、精霊の矜持が許す限りに入るのか? と言う事です。

「よい」

「(その範囲は我の土地となる。再び単なる者が我に牙をむけば、その場所まで一気に森に呑まれる事になるからな。それより植える場所の感覚を、重なりし者の頭の中に送った。理解出来ているか?)」

 話の前半部分に思わず顔が引きつりましたが、送られてきた感覚を頭の中で吟味し、不明な点が無い事を確認します。

(問題ありません)

「ありがとうございます。続いて、火の精霊の加護である“温泉”についてお聞きします」

「なんだ?」

 私に合わせ、木の精霊が聞いて来ました。

「温泉の場所について、御存知なら教えてください」

「場所はここから西方に在る崖にそって、南に暫く向かえば見つかるだろう」

「ありがとうございます」

 木の精霊の返答に、私は頭を下げました。

「可能な限り早く入りに行け」

「それは何故ですか?」

 火の精霊が愚痴をこぼしていたのは聞いていますが、それだけにしては急いでいる様な雰囲気があります。

「せっかく作った温泉に、誰も入りに来ないと火の精霊が嘆いていた。このままでは、火の精霊がドーンとなるぞ」

「……ドーン?」

 ドーンと言う表現に、私を含め人間側は誰も付いて行けていない様です。

「だから、ドォーーンだ」

 今度は声に合わせ、万歳する様なポーズをとりました。相変わらず意味が分かりませんが、ミニマム化した木の精霊がめっさ可愛いです。

「(真面目に聞け!!)」

 テレパスで怒られてしまいました。しかし、相変わらず意味が分かりません。

「火の精霊が居るのは、ブレス火山なのは知っているな?」

「あっ……はい」

 ん? 待てよ……。

 火の精霊 → ブレス火山 → ドーン

 なんか嫌な汗が
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