第九十七話 危険な二機
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えようとする。その間もレール砲による追撃を行おうとするが、シールドに阻まれてダメージを与えることは出来ない。
そして、接触回線によってクラウは叫ぶようにゲルググが圧倒している理由を、世界のパワーバランスを崩しかねない技術を、キラに告げた。
『いくらハイパーデュートリオンであってもこのゲルググが押し負けるわけがないよ。なにせ、この機体は――――核融合炉を使っているんだからさァ!』
埒が明かないと判断したクラウは一度蹴りを入れて吹き飛ばした。時間を掛ければ切り裂くことが出来たであろうが、これ以上時間を割いた所でまたストライクEによって邪魔をされると判断したのだ。
「そんな!?まさか……!」
聞いた内容に耳を疑うキラ。接触回線で他の人に聞かれこそしなかっただろうが、その内容は誰かに話せるといったものではない。だが、それと同時にストライクフリーダムをも上回る出力を持つ理由に納得もした。
核融合炉を使っているからと言っても必ずしも核分裂炉より出力が高いと断言出来るわけではない。しかし、質量単位あたりでのエネルギー発生量は核融合炉の方が上であり、ハイブリッドとも言えるクラウの技術者としての知識によって、どちらが有効かを判断して造り上げた以上――――少なくとも目の前に立ちふさがるクラウのゲルググの核融合炉はストライクフリーダムの核分裂炉を確実に上回るものとしていた。
「核融合炉搭載のMSだって……!?」
当然のことながらキラは核融合炉だということに驚愕する。核融合炉――――理論上は確かに可能と言われているが、半世紀以上もの時間を掛け、このC.E.においても未だに実現が成されていない、失敗したはずの技術である。そして、それが目の前に存在しているというのは新たな戦争を呼び込む大きな力になりうるだろう。
「強すぎる力は、また大きな争いを生んでしまう事になってしまうというのに!何でその技術を兵器として使おうとするんだ!!」
今度はこちらから反撃だとばかりにビームサーベルを抜き、斬りかかる。だが、その攻撃も手首を取り押さえられることで防がれてしまう。そして再び接触回線によってクラウは告げた。
『君がいえた台詞か?まあいいさ、一ついいことを教えてあげるよ。核融合炉の技術は完全なブラックボックスだ。例え専門家が挙って調べようとした所でセキュリティを突破できることはない。そして、核融合炉を使っているのはこの機体を含めて二機、データも当然その二機にしか搭載していない――――言いたいことはわかるだろう?』
一方的に告げるだけ告げてストライクフリーダムを投げ飛ばすクラウ。こんな風にあっさりと投げ飛ばせるあたりもストライクフリーダムとゲルググの出力差を明確なものとさせていた。
「データは完全に閉じられている……なら!」
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