第九十七話 危険な二機
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支援を許可するとは、などと中々に失礼な事を考えつつ出撃準備を整える。
尤も、ラー・カイラムの防衛に回っているMS隊は元々ラー・カイラムに所属しているゲルググ部隊なので彼らとあまり連携をとらないマーレが居た所で邪魔になる可能性が高い。そういった面も考慮にして判断したのだろう。
「よし、マーレ・ストロード、RFゲルググ――――出撃する!!」
そう言って再び宇宙へと飛び立つマーレ。彼はこの宇宙に出る際に受ける感覚はある意味何物にも代えられぬ得難いものだと感じさせる。だが今はそれに身を委ねる様な暇はない。
「居たな……」
マーレは敵機であるナイチンゲールとそれと対決しているアレックとルドルフの搭乗する二機を発見する。赤、白、金と非常に目立つ三色の機体は探すのに全く苦労しなかった。まあ、マーレ自身の機体もどちらかといえば明るめの配色をしているので人の事をとやかく言うつもりはないのだが。
「またせたな!落とされそうになった借りは返してやるぜ!!」
先手必勝とばかりに介入するタイミングでビームを放つ。アレックとルドルフの機体は損傷こそしているが致命的なダメージを受けたようには見受けられない。勿論、そう見えるだけで実際には違うのかもしれないがとりあえず落とされてはいないから問題はないと判断する。
『ようやく来てくれたか。流石に二機で相手をするには辛いものがあったぞ……』
アレックが安堵した様子で溜息をつきながらそう言う。積極的に攻撃を仕掛けなかったことで落とされこそしなかったが、彼らもかなり追い詰められていたのだろう。
『グゥ、この僕のゴールデンギャンの装甲であっても、あのビームの威力は脅威だ。気を付けたまえ!』
いつになく真剣な顔つきでルドルフも注意を促す。どうやらナイチンゲールの攻撃はビームへの耐性が高い金色の装甲とギャンクリーガーの持つ盾を併せもってでも手こずるものらしい。
「その位わかってる!議長、今度こそ一矢報いてやろうじゃねえか!!」
『フフフ、いいプレッシャーだ。やはり君もニュータイプとしての素質があるのかもしれんな。いいだろう、かかってきたまえ』
どこまでも余裕のある態度で構える議長。その様子にマーレは何度目かも分からない苛立ちを募らせる。
(すぐにでも吠え面をかかしてやるさ……)
今のマーレは議長の考えに対してそりが合うことなどないのだろう。真っ向から彼に対して反骨心を剥き出しにしていた。
『この僕も忘れてもらっては困るぞ!』
『同感だな。流石にマーレ一人に任せるわけにはいくまい』
ルドルフ達も議長に対して一層の警戒を行う。三対一、数字の上で見れば有利に立っているが二対一の時点で押されていた。油断など出来ないだろう。ましてや今の議長から溢れ出んばか
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