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花天の椿
第四章 三河最後の戦い
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(あと一瞬、逃げるのが遅れたら活断されてた。)


椿の背中に嫌な汗が滲む


「よう、来たか椿まさか忠次に言われたから来たって、訳じゃあねぇよなぁ」


忠勝はあくまで冷静、だが椿は千載一遇のチャンスを逃したため表情に焦りが見える。


「まさか、ここに来たのは、俺の意志ですよ旦那」

「そうか、だったら殿の話は聞いたな? 我は殿のために忠、勝つ、我を止めたければ刀を抜き解放しろ、でなければ何も出来ずに終わるぞ」


忠勝の言葉に、椿は笑った。静かにだが確かにその表情から焦りは消えた。
そして椿は、隣にいる立花・宗茂を横目で見る。


「つーわけで、手を貸してくれますか宗茂さん」


宗茂もまた、笑った。


「Tes. 私としても貴方の手助けは有り難いですよ、アリアダスト最強君」


軽くジト目で宗茂を見て、お互い笑う。
そして椿は腰にあるもう一本の刀を抜くと同時に言葉を紡ぐ


「花風紊れて花神啼き天風紊れて天魔嗤う」


二本の刀で十の字を造り、刀を擦り合わせる


「花天狂骨」


言葉と同時に、二本の刀が形を変える。
先程までは、普通の刀の形をしていたが今の形は青竜刀に似ている。
二本とも刀身が少し伸び、大きくなっている。
そして、椿は静かに両手を振るう
花天狂骨は空を切る、だがその瞬間宗茂の耳に何かが斬れる音が入る。
自分達が立つ橋の上、その横に広がる川を見るとそこには、何か機械のような物が何個も落ちていた。


「アレは、我々を写していたカメラ」


そう、椿はこの橋を写していたカメラを、先程の一閃で斬ったのだ。
不精独楽
花天狂骨に纏わせた風を斬撃のように飛ばす技だもちろん、使い方を変えれば色んな事ができる椿の最も得意とする技だ。


「……今のは不精独楽か? クッ臨界まであと5分、来なヒヨッコ共」


静かにはっきりと、発せられた忠勝の言葉に椿と宗茂は自分の武器を構え直す。
今、三河の命運を賭けた戦いが始まった。







最初に動いたのは、椿だった。
椿は前方に飛び出し、宗茂が椿の後ろに回る。
椿は空中で両手に持つ花天狂骨を振るう、だが花天狂骨は忠勝には届かない
しかし二本の刀を横に振った瞬間、大きな竜巻が起こるその竜巻は忠勝を囲む
だが忠勝は鼻で笑うと、肩に担いでいた蜻蛉切りを縦に一閃振るう、その瞬間竜巻は切り開かれた。
竜巻が消え忠勝は前方を見る、するとそこには椿しかいなかった。


(上か!?)


忠勝の斜め上に、宗茂はいた。
悲嘆の怠惰で突きの構えをとる。そして腕を前へ伸ばし悲嘆の怠惰で忠勝を突き刺そうとする。
忠勝は冷静に、蜻蛉切りで悲嘆の怠
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