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久遠の神話
第八十話 残る四人その七

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「到底ね」
「そうです、ですから」
「どうしたものかな」
「私には考えが及びません」
 これがスペンサーの返答だった。
「残念ですが」
「私もだよ」
 そしてそれは王もだというのだ。
「ああした手合いはね」
「止められませんね」
「本当に簡単じゃないよ」
「ではそれをどうするか」
「まああれだね、難しいことは後にしてね」
「最初に出来ることから解決することも重要ですね」
「今の時点で難しいことにこだわることは時間の無駄だよ」
 これはその通りだ、そうしたことは後にして出来ることから先にしていくことも物事の解決には重要な場合もあるのだ。
 それでだ、王は今はこう言うのだ。
「そこの見極めだね」
「今はそれが重要ですね」
「うん、そう思うよ」
「そうですね、あの方々が気付かれるかですね」
「あの女神さん達は気付いてるだろうね」
 聡美達は、というのだ。
「そのことに」
「そうですか」
「三人共、いや柱だったね」 
 神の数は柱となる、それで王はここで己の言葉を訂正させてそのうえでスペンサーに対して話した。
「女神さん達は頭がいいから」
「どなたもですね」
「特にあの」
 王がだ、特に言う相手は。
「アテナ女神はね」
「智恵の女神だからですね」
「気付いているよ」
 智子、彼女は必ずというのだ。
「この戦いをどう進めていくのかをね」
「そしてどう終わらせていくのかを」
「わかっているよ」
 そうだというのだ。
「だからね」
「それではですね」
「うん、見ていればいいと思うよ」
「戦いの終わりをですね」
「まあ僕達は戦いを降りたから」
 部外者になった、このことは紛れもない事実だ。
「見ているだけになったけれど」
「それでもですね」
「うん、どうなるのかはね」
 それはというのだ。
「見ていればいいよ」
「このままですね」
「そうだよ、私もこの戦いは実は無益なものだと思っているし」
「そうでしょうね、この戦いは」
「私達は神話のこ頃の罪で戦い続けているんだ」
「願いを餌にして」
「そんな戦いは。考えてみると」
 戦いから降りただけに今は客観的になれる、それで今言うのだった。
「馬鹿げてもいるよ」
「ですね、確かに」
「一度の罪で。何度生まれ変わっても戦わなくてはならない」
「そんなことはおかしいよ」
 確かな声で言う王だった。
「だからもうね」
「今回で、ですね」
「終わらせるべきだよ」
 王は遠い目になってスペンサーに話した。
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