誓い
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くの? あたくしもつれていって!」
「桜子。君はここにいるんだ」
「いや、にーたまと行くの! 行くったらいくの!」
道理で愛されるわけだ。こんなに可愛らしくねだり。潤んだ瞳で泣き喚く。誰であれ、少女を愛してやまないだろう。なぜこうも違うのか。
「僕と一緒に、いて、くれるの?」
「はい、にーたま!」
「どう、して?」
「あのね、桜子ね。にーたまのこと大好きなの! だから一緒にいたいの! いい?」
この日、左霧はようやく妹を愛そうと決めた。と同時にようやく自分の運命を決めた。
それは決してあの人に定められ道を行くのではない。だが、その運命には従う。
自分の生まれた意味など知りたくもない。知ったところで意味などない。この体に宿る者が誰であれ関係ない。自分は妹と行く。その道に破滅しかなくとも。握り締めた小さな手だけは離さない。
「――死が、分かつその日まで」
暖かい体温を感じながら、『魔導兵』はその日『母性』を手に入れたのだ。
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