第84話 少年は力を受け入れるようです
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
や!もう終わりか!?高がか数百時間で!!」
ドキュッ! ズグァァ!!
―――駄目だ・・・勝てない!!いや、"エヴァンジェリンさん"に勝つ必要はない。と言うか
勝てる訳がない。だけど、このエヴァンジェリンさんは僕の影。このエヴァンジェリンさんに勝つと
言う事は、僕自身の影に、記憶に勝つと言う事・・・!
でも・・・どうやって勝つ!?
ゴシャッ!
「ハッ……!しま―――」
「そぉらっ!!」
ゴィィン!
学園祭の風景に変わった世界で、計算されたタイミングで落ちて来た超包子の電車をエヴァンジェリンさん
が蹴り飛ばし、ダメージで動きの鈍った僕はそれと一緒に、空中へ弾き飛ばされる。
目隠しのつもりだろうけれど、今の僕なら・・・!!
「"ラステル・マスキル・マギステル! 久遠の空よ来たれり 敵を撃て戦神の矛 集え星の欠片
地より出でよ砂の鉄 空に伴え御使いの剣『熾使よりの天剣』"!!」
ザンッ!
「クハッ……!良くやる!」
ブォン―― ドスッ
「な……!ゴ、フッ………。」
天から落とした大剣で電車ごとエヴァンジェリンさんを突き刺せればと思ったけれど、それを受け止められ
ただけでなく、こちらに向かって投げつけられ、逆に僕の胸に刺さり家の屋根に縫い付けられる。
べちっ
「くくく、まだあれほどの魔法を使える余裕があるとは驚いたぞ?ぼーや。
この眠る事も逃げ出す事も死ぬ事も許されぬ幻想空間で、ここまで持ち堪えるとは見事。
奇跡に近い、尋常ならざる意志力だ。」
縫い付けられた僕の顔を裸足で踏みつけ、何度も弄ぶ。
・・・愁磨さんなら悦ぶ所かな、とか何で僕まだ生きているんだろうとか関係ない事を考えていられる
のは、余裕なのかな。それとも、本格的に精神が終わって来たのかな。
「だが……貴様とて精神に限界はある。これで何度目だ?七十回程か。
キ キ キ キ――――
次は、再び立ち上がれるかな?」
ド ズ ッ !!
エヴァンジェリンさんの氷魔法を凝縮させた貫手が、大剣の消えた僕の腹に刺さり、氷漬けにした。
だ、メだ・・・・・・もう、起きれな―――
「……フン。なんだ、もう終わりか。これで、光への道も闇への道も断たれた訳だ。」
閉じて行く意識の中で、此方を見下すエヴァンジェリンさんが微かに見える。
初めて会った時の様な・・・赤の他人を見る、微塵の興味も無い表情。
「だがまぁ、それもいいだろう。お前と言う"柱"が居なくなれば、兄様がお前の仲間全員連れて
学園に帰してくれるだろうさ。そうしたら、父親の事も、あの人形共の事も忘れて………
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ