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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
06.戦王の使者
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古城を見た。
 刹那、彼の全身が純白の閃光に包まれた。

「──先輩!」

 真っ先に動く雪菜。だが、それをかばって動く紗矢華。
 だが、それをもっても、純白の閃光は防げない。動こうとする彩斗だが、あまりの速さに反応が遅れる。
 コートの男が放った光の正体は、光り輝く炎の蛇。灼熱の吸血鬼の眷獣だ。
 古城はまったく反応できてない。

「ぐお……っ……!」

 すると古城の全身が眩い雷光に包まれて、放たれた稲妻が炎の蛇を迎え撃つ。
 どうやら、古城が従えた唯一の第四真祖の眷獣、“獅子の黄金(レグルス・アウルム)”が宿主に変わって、防御したようだ。
 純白の蛇は消滅するとどうじに、古城の稲妻も消える。

「あっ……ぶねぇ! なんだこれっ!?」

 焼け焦げた甲板。
 白いコートの男は、拍手をしている。

「いやいや、お見事。やはりこの程度の眷獣では、傷つけることもできなかったねェ」

 のんびりとした声で男は言う。
 古城は低く身構えたまま男を睨む。
 他の三人も愕然としたまま動けない。
 あれだけの眷獣でもまだ一部でしかない。それをもし解き放っていたら果たして古城は防げていただろうか。
 男は古城へと徐々に近づいてくる。
 しかし男の次の行動は、誰も予想できなかった。
 彼は古城の前で片膝を突き、恭しい貴族の礼をとったのだ。

「御身の武威を検するがごとき非礼な振る舞い、衷心よりお詫び奉る。我が名はディミトリエ・ヴァトラー、我らが真祖“忘却の戦王(ロストウォーロード)”よりアルデアル公位を賜りし者。今宵は御身の尊来をいただき恐悦の極み──」

 あまりの見事な彼の口上に、みながその場に立ち尽くす。

「あんたが、ディミトリエ・ヴァトラー……? 俺を呼びつけた張本人?」

 かすれた声で古城が訊いた。
 ヴァトラーはニヤリと微笑んで顔を上げた。

「初めまして、と言っておこうか、暁古城。いや、“焔光の夜伯(カレイドブラッド)”──我が愛しの第四真祖よ!」
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