ルリム・シャイコースとの戦い X
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したその瞬間―――
「『太陽』・『剛力』装填!!!」
護堂の声が響いた。
「『太陽』・『剛力』装填!!!」
護堂は、二つの能力を装填する。『太陽』も『剛力』も強力な能力ではあるが、一つだけではこの茨を瞬時に破壊することは不可能であった。・・・しかし、『黒の戦士』モードを使用している今ならば。
「お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
護堂の身体全体から、眩い光が溢れ出た。護堂は、先のクトゥグアにも匹敵するほどの体温となり、その圧倒的な熱で氷の茨だけではなく、周囲の大地までもを蒸発させる。
・・・しかし、やはり神の権能で作られた氷だ。いくら熱に弱いとはいえ、大量の呪力が込められたこの茨を一瞬で全て破壊することが出来ない。だが、脆くなった今の状態なら『剛力』で破壊できる!
バキ、バキバキバキ!!!
甲高い音が響いた。護堂が、全ての戒めを排除した音である。
《護堂さん!かの神が、攻撃を開始しようとしています!!!》
安心する暇もなく、祐里から悲鳴のような報告が届く。
「させるかよ!」
キッ!と上空の敵を睨みつけ、護堂は叫ぶ。
「全削除!『神速』・『嵐』・『雷』装填!!!」
神速状態に入った護堂だが、それだけでは上空の敵に攻撃することが出来ない。いくら神速発動時はとても身軽になるとは言え、ルリム・シャイコースが小さな点くらいにしか見えないほど高くジャンプ出来るわけではない。だからこそ、彼は『嵐』も用いた。
ゴウッッッッッッッッッ!!!
「行くぞオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
両足の裏から風を出し、空を飛んだ護堂。だが、いくら神速影響下でも、このままでは敵が”イイーキルス”から光を発射するまでには間に合わない。
―――だからこその、『雷』だ。
「喰らええええええええええええ!!!」
護堂の手のひらから発射された雷の槍は、雷速という、生物が反応出来るはずもない速度で飛んだ。当然、闘神ではないルリム・シャイコースが反応出来るわけもない。
バチバチバチバチバチバチバチバチ!!!
『グ、ガガガガガガガガガガガガガ!?』
護堂の放つ雷は、それほどの威力があるものではない。しかし、意識を数秒途切れさせるには十分なものだった。
そして、神速発動状態の護堂には、その数秒があれば十分だ。
「たどり着いたぜ、ルリム・シャイコース!!!」
ようやく、同じ高度までたどり着いた彼は、『雷』を削除する。
「さっきは、神速を解いたから罠にかけられた。・・・なら、神速を解かずにお前を倒せばいいだけだ!!!」
そう。彼は気がついたのだ。
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