ルリム・シャイコースとの戦い X
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埋め尽くしてやる。』
「・・・!」
(チャージの時間が長いと思ってたら、そういうことかよ!)
即座に氷漬けにしないのは何故かと思っていたら、そういうことだったらしい。圧倒的に有利な立場にいながら、決して油断しないルリム・シャイコース。あの膨大な呪力を内包した攻撃なら、この周囲一体を覆い尽くすことも可能だろう。そうすれば、神速でも回避出来ない。護堂は焦る。
(一瞬・・・!一瞬でも隙があれば・・・!)
護堂とて、切り札を持っている。それを使う隙さえあれば、この状況を打破することも出来るのだ。しかし、今少しでも怪しい動きを見せれば、あの邪神は即座に攻撃を開始するだろう。光が護堂の元へ到達する前に、この拘束をどうにかできる手札は、護堂にはない。
(どうすれば・・・!)
絶体絶命。そんな言葉が彼の脳裏に過ぎったその瞬間だった。
―――奇跡は、起きた。
『ぐ、ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?な、んだコレは・・・!?』
突如、予想もしない方向から、数百本の真っ赤な糸が飛んできたのである。それは、ルリム・シャイコースに巻き付いたのだ。途轍もない速度で飛来してきた上に、護堂へと全ての集中力を使っていた邪神では、それを防ぐことなど出来なかった。その瞬間、ルリム・シャイコースは苦悶の声を上げ、身をよじったのである。
「な、なんだ?」
叫んだ護堂の頭に、声が響く!
《護堂さん!長くは持ちません・・・!早く脱出を!》
「祐里・・・!?何してるんだ!?」
《ご説明は後で・・・!お願いします!もう・・・!》
「・・・!分かった!」
色々と気になることはある。しかし、本当に苦しそうな祐里の懇願を無視してまで尋ねることではない。何よりコレは、千載一遇のチャンスである。今この時を逃せば、勝機はないだろう。
―――なにより―――
(祐里が大変な思いをして作ってくれたこのチャンス、生かせなきゃカンピオーネどころか、男ですらねえ!!!)
「聖なる者も邪悪なる者も我を畏れよ。我は混沌を支配する者。全てを嘲笑い、踏み潰す者也!」
彼の切り札、『黒の戦士』モードを使用する。身体の構成を瞬時に解かれ、次の瞬間には、一見すると禍々しいとすら思えてしまう黒の戦士が現れた。
『グ!・・・さ、せ、るかアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』
悶え苦しみながらも、護堂の異変に気がついたルリム・シャイコースは、”イイーキルス”の力を開放しようとした。都市全体を覆い尽くすには少し呪力のチャージが足りないが、護堂を放置するのは危険だと、勘が叫んでいるのである。
照準を合わせるような余裕はなく、所構わず無作為に乱射しようと
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