ルリム・シャイコースとの戦い X
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かった・・・と護堂は切実に思った。
(はぁ・・・考えるのは後、だな・・・)
色々と考えながらも、ルリム・シャイコースから意識を逸らしていた訳ではない。敵は邪神。どんな手段を用いてくるかは分からないのだ。今こうしている間にも、遠方から”イイーキルス”の光が降り注ぐかも知れない。
「取り敢えず・・・まずは生き残ってからだ!」
「始まった・・・!」
そこから少し離れた場所では、息を切らした祐里が、民家の屋根の上から戦場を見つめていた。
「勝ってください・・・。護堂さん・・・!」
祈るように手を合わせる。しかし、そもそもカンピオーネとは神を殺す者たちであり、基本的には神の敵だ。祈ったからといって、加護が期待出来るわけでもないのだが。
それでも祐里は願わずにはいられなかった。遠方で始まった戦いは、ここからでもハッキリとわかるほどの激しさとなっている。護堂に怪我はないのか、それだけを彼女は考えていた。
「・・・私に、出来る事があれば・・・!」
護堂の眷属となったが、彼女に戦闘など不可能だ。これでは、ただ助けてもらうだけの役立たずとなってしまう。それが、とても嫌だった。戦闘では足でまといでも、何か他のことが出来ないか、と彼女が考えていた矢先・・・
「・・・え?」
彼女は、不思議な光景を目撃した―――
『クトゥグア様の気配を感じて急いで来てみれば・・・!まさか、貴様があの方を殺していたとはな!』
クトゥグアは、炎と氷の邪神たちの頂点だ。護堂が発動した権能、【炎の王国】が放った莫大な呪力を感知してきても、全く不思議ではない。おそらく、何らかの繋がりがあるのだろう。
ルリム・シャイコースは、激怒していた。
(・・・ん?待てよ・・・?)
護堂は、恐ろしい程の殺気を放つルリム・シャイコースを警戒しながらも、周囲の地形を『嵐』の風で索敵していた。【ステータス改竄】は、遠隔で操作しようとすると極端に精度が下がる権能だが、あれほど大きな物を探すくらいのことならば出来るのだ。
しかし、索敵範囲内のどこにも”イイーキルス”が見つからなかった。てっきりどこかに隠していて、護堂の隙を狙っているのだと思っていたのだが・・・
(さっきの光景を見る限り、”イイーキルス”は自由に出し入れ出来るような代物じゃない)
もしも自由に出し入れ出来るのならば、護堂の攻撃を食らって距離を取るなどという、危険と隣り合わせの方法を取る必要がない。あれだけ巨大な氷山だ。護堂の攻撃に合わせて目の前に出して盾とするなり、護堂の真上に出現させて押しつぶすなり、そういう使い方が出来るハズである。そして出来た一
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ