『"Cannibal Candy"』
#3
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国では雷に真なんだよ」
ライシン反論。ちょっと傷ついたような表情。自分の名前を愚弄されて傷つかない人間はいないか、と胸中で思ってみるクロス。
ふん、と再び鼻を鳴らして、シャルは冷たく言う。
「どうでもいいわ。それより、まだ続けるかしら?」
クロスとライシンは、ちらりとシグムントの方を見た。
「あー……」
「……いや。やめにさせてもらおう。そうだろう?ライシン」
「ああ。まぁ、当然か……夜々は?」
「夜々は雷真の意見に従います!」
「決まりだな。……また会おうぜ、恐竜娘」
ライシンと夜々は、早々にコロッセオを後にした。
「……腰抜けなのかしら?」
「いや。君も気付いてるんだろう?……さっさと治してやった方がいいかもしれんぞ。……またな」
クロスも手を振ってコロッセオを後にする。
「なにあれ」
『……どうかな。彼らは私の傷に気付いていたようだ……』
シグムントが元の大きさに戻る。銀色の子龍の鱗には、多数の傷がついていた。
「……痛むの?」
「二、三日は大事を取りたい……」
シャルはシグムントを抱くと、立ち上がった。
「でも、やっぱりとんだ腰抜け野郎よ。敵の弱みを突く覚悟もないだなんて……」
「その割には、彼らに興味を持ったようではないか。名を尋ねるとは……それに昨日おとといと、あのクロスという少年のことをえらく気にしていたようではないか」
「あ、あれは、《魔剣》について知ってるって言ってたから……」
これが、後に《全能の魔剣》と呼ばれることになるコンビと、《伝説》と呼ばれるようになる少年たちが、初めて戦った時のことだった。
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