§53 お隣さんの弊害
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い。ロリコンやショタコン的な意味では無くて。
「恵那のやつ、恥じらいも無く変な事を言ってきてからに……」
間違いなく好きではあるが、なんというか。据え膳を食べるのとは別に問題がある気がする。結婚は人生の墓場だ、とか若いうちは遊ぶべきだ、とか英雄色を好む、とかそういう色々とアレなことを言う人間ではないつもりだが。
「据え膳食べるべきか? 否、ここはまだ我慢すべきか……」
天下の往来でゲスい事を考えてるなぁ、などと思いつつ一人百面相をしていると。
「……黎斗?」
「あぁ、護堂か。夕食前の買い物帰り?」
「まぁ、な」
頷く護堂はスーパーの袋を大量に抱えている。エリカやリリアナ、裕理が持っていないのは護堂のイケメン力の表れか。ちなみにごく当たり前に美少女軍団を侍らせていることに関してはツッコまない。いちいちツッコむだけ野暮だろう。
「なぁ」
「ん?」
いつもと様子の違う、何処か落ち着かない護堂と、キョロキョロと周囲を見回す裕理。
「俺と勝負して、くれないか?」
「……はい?」
そりゃまた、一体何故。そんな問いを投げかけると、エリカ達から少し離れたところへ連れてこられる。
「今のオレじゃ、ダメだ。アイツらを守れるだけも力も無い」
それが護堂の率直な感想。須佐之男命の屋敷で見せられたあの力。あれを見た後だからわかる。ヴォバンも、羅濠教主も、護堂と戦うときは本気じゃなかった。今の自分には、力が足りない。
「……まぁ、いっか。ドニみたいだねぇ」
彼と護堂、やはり似ているのかもしれない。そう思って幽世への道を作りつつ見やれば。
「今回ばかりは、否定しない」
苦笑いをする護堂の姿がそこにあった。
●●●
「う、ん……」
「あぁ、目が覚めた?」
もう日は沈んでいる。周囲の民家からは穏やかな笑い声が聞こえてきて、平和な日常そのままだ。
「相手に、ならなかったな」
「そだね」
嘘を吐いてもしょうがない。事実、護堂に”牡羊”を使用させるまでに受けた傷は、軽傷。自分で言うのもなんだが圧勝だ。
「だって護堂さ。縛りゲー状態で本気だしてないじゃん。そんな状態に負けはしないよ」
「俺は本気でやってたぞ」
心外だと言わんばかりに頭を振るが、黎斗はそれを認めるつもりなど無い。
「じゃあさ――――なんでエリカさん達に加勢を要求しなかった?」
「これは、俺とお前の勝負だろう」
その言葉に、ようやく黎斗は把握する。護堂の真意を。つまり、一人で神を斃せるだけの力が欲しいと。
「正々堂々、なんてのはカンピオーネの所業じゃないよ」
卑怯を推奨したくは無いんだけどな、
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