番外5話『そしてリトルガーデン』
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たことが発端だ。
たださすがにルフィ一人というのは不安だという全員の意見が一致し、結局はハントとともに見張り番をするという現在に至っている。ルフィの言葉があろうがなかろうが夜の見張りをする予定だったハントからすれば話し相手ができるという理由で少しだけ喜んでいたのだが、何も起こらない船に暇を持て余し気味のルフィの相手をしていて、喜びの感情が次第に面倒という感情へと針が振れつつあった。
「思ってた以上になんも起きねぇんだな」
「俺としては毎日こうであってほしいんだけどな」
二人の言葉通り、今日という日の太陽が沈んでからはまだ一つも問題が起こっていない。珍しいといえば珍しいが、たまにあるといえばあるので特に珍しいというわけでもない。毎日のように夜を見張るハントにしてみればありがたい、いわゆるラッキーな日だ。
そんなハントにとってはラッキーな、ルフィにとっては暇すぎる時間とあってか、ふとルフィがハントへの疑問をぶつけだした。
「なぁハント」
「ん?」
「そういやハントはなんでそんなに強ぇんだ?」
「……いきなりだな」
「今の俺、それにゾロ、サンジじゃきっとお前に勝てねぇ」
一瞬前まであったルフィの気怠い気配はなりをひそめ、声色は真剣そのもののそれだ。いきなりすぎる変化にハントは戸惑いを覚えながらも「うーん」と首をひねる。
「なんで……っていうか俺は師匠にずっと鍛えてもらってたからな」
「師匠?」
「ルフィも聞いたことあるんじゃないか? 王下七武海のジンベエ。それが俺の師匠だ」
どこか誇らしげに胸をはって笑みを浮かべたハントとは対照的にルフィは首をひねる。
「どっかで聞いた気がすんだけど…………まぁいいや」
ルフィが聞いたのはナミとハントの故郷に向かう時のこと。アーロンという魚人を解放した魚人としてジンベエの名前をヨサクから聞いていたはずなのだがルフィがそんなまだ会ったこともないような人物の名前を覚えているわけもなく、聞き覚えがあるのは勘違いだと切って捨ててしまう。
ハントもまたジンベエは王下七武海なのだから、という理由でルフィがどこかで聞いたことがある反応をみせることは当たり前と考えているためもちろん不思議に思うこともなく、ルフィの「聞いたことがある」という言葉を気に留めない。
もしもここに、同じくヨサクからジンベエの名を聞いていたサンジがいればまた一気に二人の反応は変わるのだろうが、いない人間のことを言っても仕方ない。
ルフィがどこかで聞いたことのある名前だということに関して自己の記憶を詮索することを諦めたとき、ルフィの表情が驚きのそれへと変化した。
「七ぶかいの弟子だったのか! どおりで強いわけじゃんよ!」
「えっと……グランドライン後半の海だと俺の強さなん
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