20years ago ”Beginning of the world”
#02
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るためにはレベル上げが必須となるのだが……。
「どうしようかな……」
ユウリが悩む。現実ではあまりお目にかかれない、本気で悩むユウリは、なんというか、可愛らしかった。ユキハルは緩みそうになる頬に力を入れて、何とか表情を崩すまいと奮闘した。
「ユキハルは?」
「俺?俺は《銃士》」
《銃士》は、その名の通り《銃》を使うクラスだ。この世界には、銃は大きく分けて二種類存在する。
一つが、科学の力によって動く、現代兵器の申し子としての銃、《機動銃》だ。もっとも、現実世界の物とは形も機能もかけ離れているが。メリットとしては、銃の能力が高ければ高いほど、攻撃力も高くなること。デメリットとしては、弾切れになると何もできなくなることか。
もう一つが、《魔動銃》と呼ばれる銃だ。こちらは持ち主の《魔力》を原動力として動くため、MPさえ回復できれば無限に放てるかわりに、持ち主の能力が低ければ、性能も低くなるというデメリットをもつ。扱うためには、《銃使い》系のスキルだけでなく、《魔術師》系のスキルも必要となってくる。また、初期に出現する銃は多くが《機動銃》の為、《魔動銃》は出現率のレアさもあって、あまり多用されない武器だと思う。
「《銃》かぁ。ってことは、ちょっと遠距離系?じゃぁ私は近距離にした方がいいのかな……」
「いや?別に遠距離でも問題ないと思うぞ?《銃士》は別に遠距離じゃないと戦闘できないわけじゃないからな」
事実、《銃士》にはそれなりに近距離戦闘ができるようなスキルや能力がある。
「そっか。じゃぁ私はサポート役にしようかな。……この《呪術師》っていうのと《司祭》って言うのは何が違うの?」
「ああ、それ……《魔力系》と《信仰系》……的な?」
ユキハルはユウリに二者の違いを説明する。
《呪術師》は、俗にいう《魔術師》だ。攻撃魔法や妨害魔法、さらには回復魔法を使いこなす、遠距離の代名詞。対する《司祭》は、回復や攻撃遮断、戦況攪乱などに特化した、サポート型のクラスだ。
どちらもメリット・デメリットがある。《呪術師》は攻撃力に優れる代わりに、回復などは下位の物しかできない。対する《司祭》は、攻撃力に劣り、単体ではほぼ何もできない代わりに、他のプレイヤーがいると途端に価値が上がる。また、《召喚術》によって呼び寄せることが可能なモンスターや精霊も、《魔力系》なのか《信仰系》なのかで分けられるらしい。
「なるほどねぇ……じゃぁ私、《司祭》にするね。ユキハルがダメージ喰らったら、私がバンバン回復してあげるから!」
「そいつは頼もしい。それじゃぁ、次は冒険の準備に行きますかね」
ユキハルはユウリを伴って、β時代初期、現
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