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路地裏の魔法少年
プロローグその3:今日俺寝れなくね?
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こっちの世界で言う救難信号みたいなモンなんだろう。
 高町さんが念話を受信したのもそういうのが理由だ。

 つまりユーノはこう言いたいのだ。
 「魔法が使える(リンカーコアを持っている)のなら何故この時自分が発した念話を受信出来なかったのか?」と
 それが矛盾の正体である。
 魔法の事は全然知らんが、ユーノの説明が本当であるならかなり気味が悪い。

 つーか、俺達の身体はどうなっちゃってんだ?
 明日いきなりポックリとかマジで嫌だぞ……。

 「君達を疑うつもりは無いんだ、でもリンカーコアがある日突然生成されたなんて話は今まで聞いた事無いし……だからもう一度君に会って確認してみたかったんだけど…」
 そう言ってユーノは俺の方に顔を向ける。
 フェレットのくせに真面目な顔をしているソイツの翡翠色の目に、青くなっている俺の顔が映っていた。
 「その様子だと、本当に何も知らないみたいだね……ゴメン」
 俺の心情を察したのか、ユーノは申し訳なさそうな顔をさせ最後にそう言った。

 コイツはやっぱり人が良すぎる、もう少し無神経だったら良いのにこれじゃ俺は誰に怒りの矛先を向けてやれば良いんだよ。
 訳の分からない事態に巻き込まれて、それでもって訳の分からない世界の住人にまで不安がられて……。
 俺は普通の小学3年生の男子だった筈なのに、兄貴のキーホルダーのおかげでとんでもない事になっているではないか。

 あの忌々しいアイアン・ウィルとか言う槍と盾のエンブレムのせいで……。

 「ん?」
 あ、そうだった…。

 「どうしたんだい?」
 「そうだよ、コイツに聞いてみりゃ良いんだ」
 俺は机の引き出し中に放り込んでいたソイツを急いで引っ張り出すと、目の前にぶら下げた。

 「おい、聞きたい事があるんだが」
 俺がそう言うとキーホルダーは最初の時と全く変わらない、ネットりしたオッサンヴォイスでもって俺にこう答えた。

 ≪うおぉい、よぉーうやく私の出番と言うわけだな、待ぁちくたびれたぞぉ≫

 超絶濃ゆいなこん畜生……。
 夜に聞くもんじゃ無ぇ。

 ≪とぉるぃあえず(とりあえず)そこのちぃっこいの≫

 「ぼ…僕?」
 いきなり指名を受けたユーノがビクっと身体を硬直させる。
 そうだよな、こんな濃ゆいのにいきなり呼ばれたらビツクリするよな。

 ≪そうそう、そこのファンシー・プルィティ(プリティ)・ロングボッディーのアーニマル…お前さん一つ間違ってる事があるぞ≫

 最後の「お前さん一つ間違ってる事があるぞ」って台詞だけで十分じゃね?
 なに?ファンシー・プリティ・ロングボディー・のアニマルって、ねぇ何?

 「間違っている事?」

 ≪イ゛エスオフコース!!この坊ちゃん
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