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路地裏の魔法少年
プロローグその3:今日俺寝れなくね?
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は自己紹介と現在俺達が暮らす海鳴市が置かれた状況をかいつまんで説明すると、続けて俺達の魔法についての話題へと話を変化させた。
 と言うか、今までのが序論でこれからが本論であるとの事だ、俺今日寝れるかなぁ?


 ユーノ曰く、俺達の存在は非常識であるようだ。

 そりゃ確かに俺達すっげー馬鹿だけれどそれを面と向かって言うか普通?
 と、思っていたらどうやらそう言う意味合いでは無く「魔法を使えない普通の人間が突然魔法を使えるだけの魔力を持つ事」が非常識というか学術的に有り得ないとか何とからしい。

 どういうことなの?
 と首を傾げるとユーノは馬鹿な俺にも分かるように簡単に説明してくれた。

 空気中に『魔力素』なる魔法の元が存在する→『リンカーコア』なる機関がそれを吸収する→魔力になる→魔法が使えるとの事だ。
 この『リンカーコア』ってのがミソで、持っている人と持っていない人が居るらしく、持ってない人は当然ながら魔法は使えないし、ある日突然これが生成されるって話も有り得ないらしい。
 それでだ、俺達はその『リンカーコア』ってのを持っている事は確実らしいのだが、その場合ある『矛盾』が発生するそうなのだ。

 「矛盾?」

 「地図はあるかな?」
 「へいへい」
 俺は急いで居間の電話が乗っかっている棚の下から海鳴市のタウンマップを持って来る。
 A3用紙程の大きさのマップを広げると、ユーノはとある場所を黒い前足でペタシと示すとこう言った。
 「ここは一回目に『念話』を送った場所なんだ」
 ユーノの示した場所は池のある自然公園の中だった。

 そういえば、この前の日、深夜に…。

 「公園のスワンボートが壊されたのもまさか?」
 俺は気になった事をそのまま聞いてみた。
 「う…うん、僕が闘った時に」
 どうやらアタリだったようである。

 「なるほどな、それで」
 話を戻し再び俺達はマップに顔を向ける。
 ユーノは続けて住宅地のある一点に黒い前足を乗せた。
 「ここが僕の運ばれた動物病院」
 そう言うと更に続けて2か所
 「そしてこことここが…」
 「俺の家と、高町さんの家?」
 「そう、どう思う?」
 「意外と近ぇな…」
 俺は思った通りの感想を述べた。
 縮尺からして遠くても精々半径3キロ、ユーノが示した箇所は全てその円の中に収まっていた。

 「そう、近いよね……そこで問題」
 「うい」
 突然そう切り出したユーノに俺は思わず身構える。
 一体どんな問題が出て来るんだろうか……。

 「『念話』ってどれくらいまで届くと思う?」

 その瞬間、俺はハッとした。
 ユーノは魔法を使えそうな人間に届くよう無作為に念話を送っていたと言うではないか。
 それは多分
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