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路地裏の魔法少年
プロローグその3:今日俺寝れなくね?
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「…や」
 「何だって?」
 「ヤバい…俺ニューハーフになったかも、したら名前『啓子(けいこ)』になんのかな…」
 「は?」
 「でもって、将来カマバーとかやんなきゃ駄目なのかな?店の名前は『ドリーム』で営業時間は夜9時から…これが本当の」
 「『啓子の夢は夜ひらく』ってか?…うっせーバカ」
 字違ぇし、ネタ古ぃし、つーか股間押さえて静かにしている間にお前はよくもまぁ下らんネタを考えるな。
 通常営業で安心したぞ……。



 ―――とまぁ、今日一日でそんな事があった。


 ブラック・モロに襲われて、キーホルダーが不思議なマジックアイテムで、ガテン系魔法使いに変身して、啓太が股間を蹴られて…。
 思い返すと碌な事がねぇな畜生。
 兎も角、俺はそんな現実では到底あり得ないような事の連続体験で身も心もヘトヘトに疲れ果てていた。

 今日は早く寝よう…。
 俺達はそう思って其々の家に帰る事にした。
 だが、やっぱり神様はドSな訳で、俺の「早く寝て疲れを取ろう」という細やかなる願いは叶えられる事は無かった。
 9歳児の睡眠時間まで削り取ろうとする神様は殴ってやっても良いよね、マジで……。


 時は夕暮れ。

 家に帰った俺は、クソ狭い風呂で汗を洗い流すと適当に晩飯済ませ、布団を敷こうと自分の部屋に向かった所だった。
 父子家庭である俺の家は築50年のボロアパートと言えどそれなりに快適に過ごせる程度に広く、俺にもちゃんと部屋があった。
 まぁ、兄貴が送ってきやがった奇妙な骨董品のお蔭で駅前のドンキホーテ並みにカオスっているが…。
 つーか、キーホルダーの一件からここにある骨董品の中にもとんでもないマジックアイテムが有るんじゃ無ぇかと思えてきて、段々と気味悪く思えてくるから嫌だ。
 そのうち処分するか骨董屋に売りつけてやっかなぁ……。

 そんな事を考えながら俺は煎餅布団を敷いていた所だった。

 「コンコン」と小さな物音がして俺が振り返ると『ヤツ』と目が合った。
 2階の角部屋に位置する俺の部屋の窓ガラスの向こう側、狭ーいサッシの出っ張りにチョコンと座っているのは今日出会った『黄色いイタチっぽいケダモノ』ことフェレットのユーノ君。
 恐らく今日の出来事について色々話に来たのだろう、何の話も無いままあのバニング大尉さんに連れてかれちゃってたし…。
 間違えた、バニングスさんだった。

 俺は窓を開けるとユーノ君を部屋の中に入れてやる事にした。

 「夜分遅くにゴメン」
 とユーノはまず最初に俺に頭を下げた。
 「いや気にしないで良いよ、それより何かあったのか?」
 慣れって怖いな、絶対に有り得ない光景を見ている筈なのに俺普通に順応してるよ…。

 「君達にどうしても伝えておか
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