天空の巫女と空の鉄壁、灰竜
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持つ剣を弾くと、ティアは水の剣を消した。
「さっきも言ったけど、私はエルザの命にも腕にも興味はない。どうなろうと私には関係ないし、腕を斬り落とすのがお望みなら素直に斬り落としてやってもいい」
淡々と告げる。
この状況においても、彼女は冷静だった。
「だけど、この討伐作戦を成功させたいなら、エルザの腕を斬るのは得策じゃないわ」
そう言うと、ティアはエルザの右腕に巻いたベルトを外した。
「今ここでエルザの腕を斬り落としたとして、それで毒は何とかなるかも知れない。だけど、それと同時に別の問題が起こるでしょう」
「別の問題?」
ルーシィが首を傾げる。
ティアはゆっくりと口を開き、よく通る声を響かせた。
「腕からの出血は、誰がどうやって止めるの?」
確かにそうなのだ。
毒が消えても右腕の斬った箇所からは血が流れる。
このメンバーで回復系の魔法が使える人間はいない。
が、その状態のまま放っておけば、エルザは出血多量で死ぬ。
「確かにグレイやリオンの氷で一時的に出血を抑える事は出来る。ナツやアルカの炎で傷口を火傷させて抑える事もね。だけどそれは単なる応急処置に過ぎない。これからアンタ達13人を簡単に倒した6人を相手するのに、そんな軽い応急処置の状態でエルザが戦えるとでも?」
ズバズバと的確で完璧な言葉を飛ばし続ける。
「それにエルザは二刀流でもない限り、基本的に右手で剣を持つ。フォークとかもそうだし、エルザは右利き。そのエルザから右腕を斬り落としてみなさいな。いくら二刀流で慣れているとはいえ、エルザの戦力は半減に等しいでしょうね」
当たり前の事を語るようにティアは次々に言い放つ。
「つまり、エルザの腕を斬ろうが斬らまいが、今のエルザじゃ戦力にならないって事よ」
耳に青い髪をかけ、ティアは溜息をついた。
そして呆れたように口を開く。
「アンタ達は短絡的に考えすぎ。こういう時こそ冷静にならないと、六魔将軍を討伐するなんて不可能。冷静になれない人間は戦場において即刻死ぬわ」
冷酷な光を宿した目を向けて言い放つ。
と、同時に―――――
「あ・・・」
エルザがその場に倒れた。
「エルザ!」
「まずいよ!このままじゃ毒が体中に回って・・・」
ルーシィとイヴが慌てたように叫んだ。
すると、アランが口を開く。
「ウェンディなら助けられますよ」
その言葉に、全員の視線がアランに向いた。
「今更仲間同士で争ってる場合じゃないでしょ。力を合わせてウェンディとルーを救うの。ついでにオスネコも」
「あの娘が解毒の魔法を?」
「すごいなァ」
イヴとレンがそう言うと、ココロが小さく首を横に振った。
「解
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