暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
01 「戻ってきた日常」
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、あたし達は別のところに行きましょうか」
「え、何で?」
「何でって、あんたもすずか達のやりとり見てたでしょ? まったくあんたは……」
「アリサちゃん、いちゃついてなんかいないから!」
「大人しいあんたがそこまでムキになるってことは、いちゃついてたってことでしょ?」
「今みたいにからかわれたら、誰だってムキになるよ!」

 誰でもいいから、この3人をどこかに連れて行ってくれないだろうか。少しずつでも変わろうと決意したものの、いきなりこの3人と距離を詰めるのはハードルが高すぎる。
 そんなことを考えながら食事を進めていると、にやけた顔をしたバニングスがこちらを覗いてきた。先ほどの流れと彼女の表情から考えて、嫌な予感しかしない。

「ねぇあんた、すずかのことどう思ってるわけ?」
「ア、アリサちゃん!?」
「どうって……」
「ショ、ショウくんも答えなくていいから!」
「別にいいじゃないの。減るもんでもないんだから答えなさいよ」

 バニングスよりも月村とのほうが親しいが、答えないと面倒な流れになりそうだ。だが答えると、月村が今の状態よりも悪化しそうなので良心が痛む。
 どうしたものかと考えていると、ふと高町と目が合う。彼女の返事は、頬を掻きながら苦笑いというものだった。こちらとしてはふたりを止めて、ここから離れてほしかったのだが。

「……まあ、普通にクラスメイト」
「……つまんない回答ね」

 感情を露骨に表情に出したバニングスに言えと言ったのにそれはないだろう、と返しそうになったがぐっと堪えた。俺への興味が消えたようなので、返事をしないほうがいいと思ったからだ。
 これなら月村をからかうのをやめるのではないかと思い彼女に視線を向けると、どことなく普段よりも暗い顔をしているように見えた。親しいという言葉くらい付けておくべきだっただろうか。
 だがここでフォローを入れると、またバニングスが興味を持つかもしれない。それに月村も大丈夫だよ、と言いたげな笑顔を向けている。ここは大人しくしておいたほうがいいだろう。

「ショウくん、美味しかった?」
「ん……ああ」
「そっか、よかった。ここね、私のお母さん達がやってるんだ」
「知ってるよ。何度も来てるし、君はお母さんによく似てるから」
「そ、そうかなぁ……」

 桃子さんに似ていると言われたのが嬉しいのか、高町は照れ笑いを浮かべる。
 高町が母親似だというのは大抵の人間が思うことだろうし、よく翠屋に来る人間なら言ってもおかしくないことだ。今までに何度も言われているはずなのに照れるとは、高町はかなり純情なようだ。

「……そろそろ俺は帰るよ」
「あ、うん……あの」
「何?」
「その……もうすぐ夏休みだよね。まだ具体的な話はしてないんだけど、多分どこか
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