番外4話『ウイスキーピークの夜』
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「塞いでくる、ハント手伝え!」
「おう!」
「ナミさん指針はっ!?」
「またずれてる!」
「なにっ!?」
これがグランドライン。
風も空も波も雲も、何一つ信じてはならず、信じていいものはログポースだけ。情勢は一瞬で変化し、激情のように緩急が流れていく。次から次へと襲い掛かる変化に、ただ一人ずっと寝ているゾロを除いた全員が船を駆け回ってそれに対処していく。
そして――
どうにかすべてを乗りきり、全員がぐったりとほっと一息をついて倒れこむ。
丁度その時。
「――ん〜〜〜〜〜っ」
まるでそれを見計らっていたかのようなタイミグでゾロがノビをしながら起き上ってきた。
「おいおい、いくら気候がいいからってダらけ過ぎだぜ? ちゃんと進路はとれてんだろうな」
この瞬間ゾロに殺意を覚えなかった船員はいないだろう。もしも体力が余っていたのならそれはもうすさまじく文句を言っていたのだろうが、今の彼らにはその体力もなく、心の中でゾロを切り刻むだけで終わった。
荒れ狂うグランドラインがほっと一息をつけるほどに落ち着くというのは島が近い証拠でもあり、果して徐々にだが島が見えてきた。
「島だぁ!」
「でっけぇサボテンがあんぞ!」
そう、麦わら一味の一本目の航海が終わったのだ。
「それでは我々はここでお暇させていただくよ」
「送ってくれてありがとうハニー達」
Mr.9とミス・ウエンズデーが別れを告げて、船から海へと飛び込んでいく。もともと麦わら一味も彼らに対しての関心は薄いため、それに対する反応はほぼなく、それよりもウィスキーピークの反応に目を丸くさせていた。
「海賊だぁ!」
「ようこそ我が町へ!」
「グランドラインへようこそ!
住人がこぞって海賊を歓迎する酒造と音楽の盛んな町。
意気揚々とグランドラインへとやってきた海賊たちをその出鼻からくじく賞金稼ぎの町。
それが――
「――歓迎の町ウィスキーピークへようこそ!」
「いら゛っ……ゴホン。マーマーマーマーマ〜♪ もてなしは我が町の誇りなのです。自慢の酒なら海のようにたくさんございます。あなたがたのここまでの冒険の話を肴に宴の席をもうけさせては頂けま゛ぜ……ゴホン。マーマーマ〜♪ 頂けませんか?」
ウィスキーピーク町長のイガラッポイという男の第一声がそれだった。
なんというか特徴的な人だなぁとか考えつつも、本心から思ったのは『これはない』
いくら俺でも……うん、ない。
海賊を歓迎とか聞いたことがない……というかいくらなんでも怪しすぎる気がするんだけど。
これはいきなり大変なことになりそうだ。下手をしたらこのまま戦闘になる可能性もあるんじゃないだろうか?
そ
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