番外4話『ウイスキーピークの夜』
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しているらしく、まずはルフィが「おお、かっけー!」と目を輝かせ、ウソップはウソップで「なん……だと」と両膝をついてショックを受けている様相を見せてる。
「ふふん」
勝ち誇った笑みを見せるハントの笑顔に、ルフィが何を思ったか「よし、雪だるパンチ!」と雪だるさんに腕としてささっていた棒をそれぞれスノウクィーンとラパーンに飛ばしてきた。当然のように崩れてしまうスノウクィーンに、ウソップが「なにしとんじゃおのれは!」と報復として雪だるさんを蹴りつぶす。
「がああ、雪だるさん!」
結局二人の自慢の雪だるまは壊れてしまい、そのまま喧嘩に発展してしまうかと思いきや、ハントのラパーンだけは二人の雪だるまと同じ結末にはならなかった。
「俺のラパーンは、そんなんじゃ滅びねぇ!」
どん、と誇らしげに言うその姿どおり、ラパーンは健在。まるで何もなかったかのようにマッチョポーズをきめている。
「ふ、事前に水をかけておいて正解――」
「――ゴムゴムの銃」
「お、さすがに壊れた」
「ってなにやっとんじゃバカども!」
結局3人そろって楽しそうにギャーギャーと騒いでいたのだが突然「あーーーっ!」という叫び声とともに船室からナミが姿を見せた。
「な! なんだどうした?」
首をかしげるルフィへ、ハントが肩をすくめて「やれやれ」と息を吐く。
「ナミも雪遊びがしたくなったんだろ? まったく、そんなアピールしなくても素直にいえば――」
「うっさい! んなわけないでしょうが! 180度旋回して! 今すぐに!」
「? ……あぁ、うん。なるほど……了解!」
グランドラインの異常性を知っているハントは数秒の考える時間を経て事情を察した。気づいた瞬間には遊びをやめて動き出したのだが、事情のわからないウソップやルフィはただ首を傾げる。
「180度? なんで引き返すんだ?」
「忘れ物か?」
「いつの間にか反転して進路から逆走してるの! ほんのちょっとログポースから目を離した隙に! 波は穏やかだったのに」
「波は穏やかだけどナミは穏やかじゃないな」
船を旋回させながら、ハントがぼそりと下らないダジャレをつぶやいた。もちろんハントは小さな声で独り言のつもりだったのだが、残念なことにそれはナミの耳にまで届いていたらしい。
「……ハント?」
「ごめんなさい、すぐに旋回させます」
鬼のような形相のナミににらまれて、すさまじく丁寧な謝罪をしてみせた。
ただ、こうやって無駄な会話をしている間にもグランドラインは更なる変化を見せた。
「おい待て風が変わったぞ?」
「うそ!」
「春一番だっ!」
「波が高くなってきた!」
「10時の方向に氷山発見!」
「氷山かすった! 船底にみずもれ!」
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