番外4話『ウイスキーピークの夜』
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海を行くメリー号はリヴァースマウンテンの麓、双子岬を出て一路、ウイスキーピークと呼ばれる町を目指していた。
双子岬から行ける島は7つ。その選択でこれからの航路が決まることになるのだが、ではなぜ既にウィスキーピークを目指しているのか。
それは双子岬で、Mr.9とミス・ウェンズデーを名乗る謎の男女ペアにお願いされたからだ。
この二人はラブーンの体内でラブーンの腹に風穴を開けようとしていた二人なのだが、ログポースを失い彼らの住む町『ウィスキーピーク』に帰る手段を失ってしまっており、それゆえに船に乗せてウィスキーピークへと連れて行ってくれと土下座をする彼らに、ルフィが「いいぞ」と了承し今に至っている。
さて、麦わら一味がどういった事情でどこを目指そうが、それがグランドラインの何かに影響を及ぼすはずもなく、グランドラインは今日も今日とて平常運転。
天候は冬時々晴れ。
常識的にみれば全くもって平常運転な天候ではないが、それがまかり通るのがグランドラインだ。
今も、メリー号が進む海原には雪が降りしきっている。
「おっしゃできた! 空から降ってきた男、雪だるさんだぁ!!」
ルフィが雪だるまに樽の帽子をのせ、マントをかけてヒーロー風に作り上げた姿を自慢げに披露するのだが「はっはっは、全く低次元な雪遊びだな、てめぇのは」と、ウソップがもともと長い鼻を高くさせて、自慢げに笑う。
「なに!?」
渾身の雪だるさんをいきなりバカにされて、ルフィどころか雪だるさんまでどことなくショックを受けた様子を見せる。そんなルフィへと、ウソップが「これだぁ!」と自身の作品を披露してみせた。
「見よ、おれ様の魂の雪の芸術っ『スノウクィーン』!」
そこにあったのは雪のソファに腰かける優雅な女性。たしかに言うだけの出来映えではある。ルフィも「うおお、すげぇ!」と感心するのだが、また別方向から「それでは創作性というものがかけているのではないかね、ウソップ君?」
「なにっ!?」
自身の魂の作品に文句をつけられ、声のほうをむくと、ハントが自信ありげに胸を張っていた。
「これを見ろ!」
言葉とともに、ハントが横にずれる。
ハントの背中から現れたのは熊のように巨大な体躯、そして長い耳。熊の体でウサギの顔をもつ謎の生物を形どられた雪だるま。それがマッチョポーズでいぶし銀な表情を浮かべて佇んでいた。
「ふふん、これぞ本物の芸術。雪の国の創造動物『ラパーン』だ!」
たしかにウソップのそれよりは創作性はあるとはいえるものの、なんだかんだで細かいところをみればあまり出来がいいとはいえない。一般的に見ればウソップのスノウクィーンに軍配が上がるはずなのだが、雪遊びに興じる彼らの採点基準は一致
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