閑話 一日遅れの St. Valentine's day!
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ー に 貰 っ た チ ョ コ の 数 を 尋 ね ら れ る と い う 話 題 が !
イケメンやリア充と呼ばれる存在にとっては今日の天気を聞くかのような話題に過ぎない。単純な話題作りの一環だ。しかし、貰わなかった者にとっては酷く苦しい話題なのである。元日本人の性というものが根底に存在しているクラウにとって、チョコを貰えない=非リア充というC.E.ではありえないほど古いといってもいい方程式が成り立っていた。
「へー、じゃあ俺らと一緒に飯でも食いにいかない?」
そうやって尋ねるのはショーンだ。
(ここ最近は俺以上に空気だったくせに空気は読めねえのかよ!)
何という理不尽。何という悪態。『荒んだ心にバレンタインは危険なんです。クロノクルさん』という幻聴すら聞こえる。というか色々と言ってはならないことを言っているような気がするが気にする必要はない。
「クラウもその服装からして仕事の途中だったんだろ?だったら、俺らが飯誘うにしてもクラウは忙しいんじゃねえ?」
ここでクラウの不機嫌な様子を感じ取ったのはハイネだった。コミュ力の高い彼は何故不機嫌になっているのかまでは理解できずとも、空気を読んでクラウの意思を尊重する様にしながら退出してもらうよう発言することは出来る。とりあえずこの場を収めようとハイネはそう思って発言した。
「あ、ああ、そうだな。次の納期も迫っているし、気分転換も出来たからそろそろ戻るとするよ」
それに乗っかるクラウ。しかし、ここで普通に戻る事となっては物語は成立しない。
「やあ諸君、奇遇だね。こんな所で偶然にも出会うとは」
何ともまあ最悪なタイミングで議長とミーアがやってきた。偶々仕事で外に出て、偶々近くを車ではなく徒歩で移動することになって、偶々彼らと出会った。全く持って偶然とは恐ろしいものである。
「ぎ、議長!そ、それにミー……ラクスも!?」
全員一斉に敬礼する。いや、クラウだけは一拍遅れて敬礼をしていた。どうやら彼の頭の中で仕事が終わらなかった=チョコが貰えなかった=仕事を押し付けた議長が悪いという、明らかにおかしい方程式が成立したらしい。
「アスラン!酷いですわ。昨日はお相手してくださらなくて、私寂しかったのですよ?」
そんな事を言いながらアスランに突撃して腕を組んでくるミーア。その言葉に過敏なまでに反応したのはクラウとアスランだった。前日はバレンタインデー……となれば何があったのか誰もが察する。
「折角、バレンタインでの鎮魂を歌っていたのにアスランは顔も見せてくれないなんて、酷いですわ。チョコだって用意したのに」
「いや、悪いミー……ラクス。俺は……母さん達のお墓参りに行ってたからな……そんな日に食べるチョコは苦
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