暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外3話『クジラのいる双子岬』
[5/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
なことにホッと胸をなでおろしたのだった。




 グランドラインでは一切の常識は通用しない。
 海流や風には恒常性がなく、グランドラインの航路にある島々には鉱物を多く含むために航路全域に異常な磁気をきたしていて、普通の羅針盤は機能しない。何も知らずに海へと出ればまず生還することは不可能。
 それゆえ、グランドラインを航海するにあたって絶対的に必要な、羅針盤の代わりとなるものがある。

「これが……ログポース。何の字盤もない」
「……そういえばログポースのことすっかり忘れてたな」

 ナミが自分の腕につけて、そのグランドラインにおいて羅針盤の役割を果たすそれをハントと一緒にのぞき込む。なぜナミがそれを持っているかといえばハントがクジラと戦っていた間、そのクジラの体内でルフィたちが遭遇した謎の男女ペアが落としていったものを、ルフィが拾ったからだ。ちなみにその話を聞いたハントは小さな声で「あ、本当に結構余裕あったんだなぁ」とクジラと決死で戦ったことの無意味さに肩を落とす様子もわずかに見せていたのだが、まぁそれはさておき。

「忘れてたって……あんたね」

 少しばかり申し訳なさそうに、だがそれ以上にぼんやりとつぶやかれたハントの言葉にナミが呆れ顔を向けるのだが、ハントもまたナミと同様にログポースをのぞき込んでいたせいで二人の距離があまりにも近かった。目と鼻の先にあるハントの顔に、下手をすれば自分の唇がふれてしまいそうになったナミが「って近いわっ!」と彼女の拳が炸裂した。

「ふでっ!?」

 ログポースにばかり視線を送っていたハントはそれを避けることもできず、クリーンヒット。すさまじい力が込められていたらしく、意味不明な奇声とともにそのまま華麗に吹っ飛んで岩壁へとたたきつけられてしまった。

 さて、ナミとハントの二人が自覚もなしにバカみたいにじゃれあっている間、ルフィたちはクロッカスという男の、クジラに関する話に耳を傾けていた。クロッカスはクジラの体内でルフィたちが出会った男で、クジラの体内でルフィたちが出会った謎の男女ペアからクジラを守ろうとしていた男でもある。

 グランドラインの入り口、リヴァースマウンテン。その岬に存在するレンガ造りの建築物。
 そこで灯台守として暮らしているのが、まるで花が咲いているかのような独特な髪型をした老人、クロッカスだ。あらゆる海賊が通過するであろうその位置に堂々と居を構えるその豪胆さには驚きを禁じ得ないが、巨大なクジラもここで暮らしているらしく、名をラブーンという。

 もう50年も前にした約束、2,3年で帰ってくるという仲間の言葉を信じてラブーンは今でもこの双子峠で仲間の帰りを待っている。
 クロッカスから語られたラブーンの話に各々が感想を漏らす。

「しかし、5
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ