第三章 始祖の祈祷書
第二話 ルイズの恋心
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いた。
すると、モンモランシーが、ルイズを指差す。
「ルイズ、あなたやってみたら」
最近妙に目立ってるのよねルイズってば、これで失敗して、少しは恥ずかしい思いをすればいいのよ。
モンモランシーが内心でほくそ笑んでいると、そうと知らず、コルベールの顔が輝いた。
「なんと! ミス・ヴァリエール! この装置に興味があるのかね?」
「いえ、全く」
ルイズ……容赦ないな……。
モンモランシーの言葉を聞いたコルベールは、顔を輝かせると、喜び勇んでルイズに問いただしたが、ルイズは冷めた態度で言葉短くそれを否定する。
コルベールは顔を俯かせると、肩をさらに落として落ち込んだが、ルイズは何か難しい顔なり、考え込むような仕草をした。
ルイズの反応に訝しげな顔をするも、モンモランシーは挑発を続ける。
「最近、なにか秘密の手柄を立てたあなたなら、あんなこと造作もないはずでしょ? やってごらんなさい? ほら、ルイズ、やってごらん」
「そう、ね……」
ルイズ? どうしたんだ、いつもなら、すぐに言い返すはずなのに。
士郎はルイズの態度に違和感を感じて、ルイズの顔を見つめていると、不意にルイズが顔を上げ、士郎の顔をじっと見つめてきた。
な、なんだ? ほんとどうしたんだルイズは?
「る――」
「分かったわ」
士郎がルイズに声を掛けようとすると、急にルイズが立ち上がると、無言でつかつかと教壇に歩み寄っていった。
それを見たキュルケは、慌てて立ち上がると、モンモランシーに向かって声を上げた。
「ちょっ、ちょっとモンモランシー。ルイズを挑発しないでよ! 爆発するでしょう!」
キュルケはそこまで言うと、しまったとでも言うような顔をして、手を口に当てると、おずおずとルイズに振り向いた。
教壇の上のルイズは、キュルケの言葉を聞くと、目尻を吊り上げた。それを見た前列の席に座った生徒たちが、こそこそと椅子の下に隠れ始める。(タバサはいつの間に移動したのか、椅子の下に隠れて、そこで本を枕にして眠っていた)
キュルケの言葉で、ルイズの実力と結果と二つ名の由来を思い出したコルベールは、その決心を翻そうとして、おろおろと説得を試みた。
「あ、いや、ミス・ヴァリエール。その、なんだ、うむ。また今度にしないかね?」
「……」
ルイズは無言である。一度士郎をチラリと見ると、ルイズはコルベールがしていたように、足でふいごを踏んだ。気化した油が、円筒の中に送り込まれる。
それを見たコルベールがさらに必死に声を掛ける。
「み、ミス・ヴァリエール!きっ、君の実力を疑うわけではないが、魔法はいつも成功するというわけではないじゃないか! ほ、ほらっ! 言うではないか!
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