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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
夢の終わり 〜IN YOUR DREAM〜
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ェイトもまた、その姿を崩し始めていた。宙を舞う残滓はやがて溶けるように消え、その欠片も世界に残すことは無い。
「あ、良かった・・・これで成仏できなかったらどうしようかと・・・」
「行っちゃうの?」
「うん・・・」
残滓のフェイトも既にこの世に未練は無かったがゆえにあるがままを受け入れていた。ばらばらと崩れ落ちる残滓の身体を、今にも涙があふれそうな顔で見つめるフェイトに苦笑した。
「そんな悲しそうな顔しないで、フェイト。・・・お母さんを大切にね」
「あのね・・・あのね、フェイト!私あの後色々考えたんだけど・・・後悔のない事はいいことだと思う!でも後悔が無いから生きるのを諦めるって、上手く言えないけど違うと思う!!」
「・・・そっか。うん、それでいいと思う」
正しい正しくないは誰かが決める事ではない。その時の当事者が自分の意思で思ったことを正しいと判断する、その行為そのものがきっと尊いものだから。
ふとフェイトの後ろに目が行った。
アルフ。リニス。私の知っている2人とは少し違うけれど、それでも皆に見送られるのならば悪い気はしない。あのシャインという少年は姿が見えない。気を利かせて別の場所に行ったのかもしれない。
その時、崩れる私の身体を誰かが抱いた。
その感触はどこかで経験したようで、でも初めての感触だった。
目の前にいるその人は―――
「お母・・・さん・・・?」
「―――私は貴方のお母さんではないけれど、貴方のことを勝手に見送らせてもらうわ・・・・・・今までよく頑張ったわね、”フェイト”。疲れたでしょう?ゆっくりお眠りなさい・・・」
「・・・手・・・あったかい。これが、お母さんの手なんだ・・・」
その言葉を聞いて、それだけで救われた気がした。
消滅しかけの身体で僅かに感じる感覚が、叶わない夢の続きを少しだけ見せてくれた気がした。
この人は”私のお母さん”ではないけれど。本当ではないけれど。
真実は必ず嘘に勝る物ではないのだろう。
そうならば自分はアリシアの劣化品などではないと、胸を張って言えるから―――
= = =
「そうか、そう言う事だったか・・・」
「もう少し早く気付くべきでした・・・」
「つまりどーゆーことなの?」
所変わって紫天一家。彼女たちに崩壊の兆候は見られない。それもそのはず―――
「考えてみればユーリがこの世界に再現されている時点で我々は世界に定着されているも同然ではないか!ナハトヴァールでさえあれだったのだからな・・・」
「ユーリだけが我々と違う場所に顕現したのも、定着の反動だったのかもしれません」
「だーかーらー!王様もシュテるんも何の話してるの!?僕にもわかる様に言ってよー!!」
「・・・簡単に言うとだな?・・
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