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こんな私(俺)の物語
第十四話 聖剣ですか破壊計画ですか
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れにお前には助けられたことがあったからな。借りを返すってわけじゃないけど、今回はお前の力になろうと思ってさ」

「僕が下手に動けば部長に迷惑がかかるから、それもあるんだよね?」

「勿論。あのまま暴走されたら、部長が悲しむ。まあ、俺が今回独断で決めたことも部長に迷惑かけているんだろうけど、お前が『はぐれ』になるよりはマシだろう?結果オーライになっちまったが、教会の関係者と協力態勢を取れたんだしさ」

まだ納得していない表情の木場。そこへ子猫が口を開く。

「・・・祐斗先輩。私は、先輩がいなくなるのは・・・寂しいです。・・・お手伝いします。・・・だから、いなくならないで」

必死の懇願。ほんと、仲間思いが多すぎるよ。

「ははは、参ったね。子猫ちゃんにそんなことを言われたら、僕も無理はできないよ。わかった。今回は皆の好意に甘えさせてもらおうかな。イッセー君のお陰で真の敵もわかったしね。でも、やるからには絶対にエクスカリバーを倒す」

「私も、手伝うわよ」

ここまで訊いて今更引けん。

「よし!俺らエクスカリバー破壊団結成だ!頑張って、奪われたエクスカリバーとフリードのクソ野郎をブッ飛ばそうぜ!」

と、まあ、うまく収まるはずが、乗り気じゃない奴が一名。空気読め。衣玖みたいに。

「・・・あの、俺も?」

忘れ去られた匙である。

「つーか、結構俺って蚊帳の外なんだけどさ・・・。結局、何がどうなって木場とエクスカリバーが関係あるんだ?」

「・・・少し、話そうか」

俺が出したコーヒーに口をつけたあと、木場は自身の過去を語り始めた。
カトリック教会が秘密裏に計画した『聖剣計画』。聖剣に対応した者を輩出するための実験が、とある施設で執り行われていた。被験者は剣に関する才能と神器(セイクリッドギア)を有した少年少女。来る日も来る日も辛く非人道的な実験を繰り返すばかり。散々実験を繰り返され、自由を奪われ、人間として扱われず、木場たちは生を無視された。彼らにも夢があった。生きていたかった。神に愛されていると信じ込まされ、ひたすら『その日』が来るのを待ち焦がれた。特別な存在になれると信じてーー。聖剣を使える者になれると信じてーー。
三百六十五日、毎日毎日何度も聖歌を口ずさみながら、過酷な実験に耐えたその結果が『処分』だった。
木場たちは聖剣に対応できなかったんだ。

「・・・みんな死んだ。殺された。神に、神に使える者に。誰も救ってはくれなかった。『聖剣に適応できなかった』、たったそれだけの理由で、少年少女たちは生きながら毒ガスを浴びたのさ。彼らは『アーメン』と言いながら僕らに毒ガスを撒いた。血反吐を吐きながら、床でもがき苦しみながら、僕たちはそれでも神に救いを求めた」

やっぱり、凄まじい過去だよ
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