第九十六話 小夜啼鳥は死を招く
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レートとタイガー・ピアス――――その二刀の攻撃を下に移動し、そして微妙な距離で後ろに下がる事で翳めることもなく避ける。
そこを突いて劾のタクティカルアームズIIは横薙ぎに振るわれた。しかし、その攻撃も反転しつつ機体を斜め後ろに傾けることで躱してみせた。そのまま劾は左手に持つアーマーシュナイダーで貫こうとするが反転しきったナイチンゲールは隠し腕でその腕をつかみ取る。
『休む暇など与えんよ』
だが、つかみ取ったという事は動きを止めたという事だ。劾の技量であれば掴まれた状態から敵に振り回されることなく、逆に敵の動きを抑えれる。そう信頼してミナは右手にもう一本のトツカノツルギを握りつつトリケロス改からビームセイバーを展開し、損傷している左手はツムハノタチを展開させて斬りかかる。
『そこだ!』
それに合わせるのは当然ロウだ。二連の攻撃を躱されたからと言って簡単に追撃を諦めるような男ではない。
「だがそれでも私には勝てぬさ」
『――――ああッ!?』
アスランは目の前で起こった出来事が信じられなかった。両足を失ったセイバーは操縦があまり利かなかったが、それを発見したアメノミハシラに所属しているのであろうM1Aアストレイの部隊によって引き下がらされていた。だが、僅かに離れたナイチンゲールとアストレイ部隊の戦いの結果は、思わず叫んでしまうほどに信じられないものだった。
『嘘だろ……8、何とかならねえのか!?』
『グッ、無様なものだな……』
その攻防は一瞬だった。いや、寧ろ刹那と言い換えても良いかもしれない――――レッドフレームとゴールドフレームが攻撃を仕掛けるその直前に、ナイチンゲールはブルーフレームをその桁違いのパワーによって隠し腕の一本で振り払い、ゴールドフレームをビームトマホークによって、そしてレッドフレームとブルーフレームをナイチンゲールの肩から取り外された数基のドラグーンによって見るも無残な姿に変えたのだ。
腕が切り裂かれ、頭部を焼かれ、胸部を損傷させられた。命が助かったのは偏に彼ら自身の技量と悪運によるものだろう。
「小夜啼鳥は死を招く――――君達のような王道から外れる者に、この舞台を上がる資格はない。だが、その実力は本物だ。まさか三人とも生き延びるとは思いもしなかった。故に、その誇りと実力に免じて命までは取らないでおこう」
『情けを掛けるつもりか……!?』
劾はそう叫ぶ。確かに腕を失いはしたが、まだ戦えないわけではない。それどころかここで取り残せば必ずや再び相対することになるだろう。
「私は本質は兵士や戦士ではない。人を殺すことは私の本分ではないのだよ」
だが、議長にとってそんな事は関係ない。そう言って議長は彼らに止めを刺すことなく、再び戦
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