第九十六話 小夜啼鳥は死を招く
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かっているだろう?」
『グゥ……だとしても、そう簡単に落とされるつもりはない!』
議長のナイチンゲールとアスランのセイバーによる戦いは、終始ナイチンゲールが圧倒していた。パワーも機動性も装甲も、ありとあらゆる面でナイチンゲールがセイバーの性能を上回っている。セイバーの優位点である近接戦での武装の多さも、議長自身の卓越した技量によって呆気なく防がれていた。
「それが人の限界だ。人が人の枠を超えない限り、私に勝つことは出来ない」
ナイチンゲールがセイバーの右腕を切り裂く。アスランはその切り裂かれた右腕を左手で掴みとり、牽制がわりに投げつけた。
『そんな傲慢な理屈で……まるで自分が人を超えたとでもいうつもりか!』
だが、その牽制も議長の乗るナイチンゲールを前にしては大した意味をなさない。ただの質量のある物体が投げつけられた程度では機体がダメージを受けるはずなどなく、視界を遮る程度の役割しか果たすことは出来ない。
「ああ、私自身が人を超える。それもまた一つの選択肢として存在しているとも」
何たる傲慢、何たる自身――――圧倒的とも言えるその性能に違わない議長の大言が余計にアスランの神経を逆なでさせる。はたしてそれすらも議長は計算していたのか。その一瞬の苛立ちによって生まれた隙を議長は逃すことなくセイバーの両足を切り落とした。
『しまった!?』
「これで終わりだ」
万事休すかとアスランは悔しさで顔を歪めながら歯を食いしばる。
(また俺は何もできないままに終わってしまうのか。自分で止めることが出来ず、間に合わず、他人に任せる事しか出来ないままに落とされるしかないのか!)
だが、結果はアスランの死ではなく、横合いから放たれたビームの攻撃による妨害だった。その突然の攻撃を議長はシールドで防ぐが、同時にセイバーを逃すことになった。
「やはりそうやすやすとは取らせてもらえないという事か」
『ヘッ、目の前で討たれそうな機体があるとなりゃあ、宇宙一のジャンク屋として手を出さないわけにはいかねえな』
そう言って現れたのはタクティカルアームズIILをアローフォームにして構えていたレッドフレーム改であった。そしてナイチンゲールの後方からレッドフレームと同様にタクティカルアームズIIのソードアームを構えたブルーフレームセカンドリバイが叩き切ろうとする。
『貰った!!』
「それはどうかね?」
その不意を突いた攻撃をナイチンゲールは振り返る事もせずにビームトマホークを持っている方の腕を後ろに回して、そのまま受け止めた。
『共にダンスを踊るものとして一対一でないことは心苦しく思うが、これはどうかね?』
そう言って現れるのはミラージュコロイドを使いブルーフレーム同様
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