第一幕その九
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
三人目はくるくると踊っています、茶色の三つ編みにボタンの目と刺繍でつけた口、身体はつぎはぎの布でできていて赤地に様々な色のチェックになっています、その上から服を着ています。五人はこの三人を見て言いました。
「かかしさんに」
「ブリキの木樵さんね」
「あとはつぎはぎ娘」
「あら、あんた達あたい達のことを知ってるの」
そのつぎはぎ娘が言って来ました。
「そうなのね」
「有名人ですから」
笑顔で、です。ジョージがつぎはぎ娘に答えます。
「オズの国の」
「そういうあんた達は見ない子達だけれど」
「ああ、ドロシーと一緒だね」
ここでかかしが言ってきました。
「あっちの世界から来た子達だね」
「はい、そうなんです」
「ジャックさんと一緒のやり方で来ました」
「そうだったんだね、実は私達もさっきまであっちの世界にいたんだよ」
かかしはその描かれたお口の下に右手を当てて言います。
「ハロウィンのパーティーに参加していたんだ」
「あの学校で遊んでいたんだよ」
ブリキの木樵も言ってきます。
「そうしていたんだ」
「それでなんですか」
「皆さんここに」
「遊びに行っていたのはあたい達だけよ」
つぎはぎ娘は今もくるくると踊っています、そのうえでの言葉です。
「ドロシー達はエメラルドの国にいるよ」
「あっ、ドロシーもいるんだ」
ドロシーと聞いてです、神宝は目を輝かせて言いました。
「あの火共」
「うん、いるよ」
つぎはぎ娘は神宝に明るく答えます。
「ちゃんとね」
「そうなんだ、サイン貰えるかな」
「サイン?何枚でも書いてくれるよ」
ドロシーはそうしてくれるというのです。
「ドロシーもオズマもね」
「じゃあドロシーに会った時は」
サインを書いてもらおうとです、神宝は目を輝かせたまま微笑みました。
「サインしてもらおう」
「さて、ここで一つ問題があるね」
かかしが言ってきました。
「食べものと飲みものことだけど」
「実は僕達お金も何も持っていないんです」
カルロスがかかしに答えます。
「オズの世界はお金はいらないですよね」
「いらないよ、けれどね」
「食べものと飲みものはですね」
「君達は必要になるね」
こう言うのでした。
「その二つは」
「そう、それですよね」
恵梨香もかかしの言葉にすぐに応えます。
「かかしさん達は何も食べなくていいですけれど」
「それをどうするかだね」
「どうすればいいでしょうか」
「すぐ近くにパンの木があるよ」
かかしは微笑んで五人の子供達も答えました。
「それはね」
「あっ、そうなんですか」
「すぐそこに紅茶の泉もあるよ」
都合のいいことにそれもあるというのです。
「林檎や梨の木もあってね」
「今なって
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ