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久遠の神話
第七十九話 次期大統領としてその十一
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「とはいっても推薦文を貰うこと自体は」
「難しくなかったのですか」
「特に、お願いをしたら」
 それでだったというのだ。
「すんなりと書いてもらいました」
「それで終りでしたか」
「私がお願いした議員は特に気難しい方でなかったので」
 こうしたことを頼む相手もそれぞれだというのだ、気難しい議員ならば中々書いてくれないこともあるということらしい。
「ですから日本のお話を聞きますと」
「防衛大学ですか」
「推薦文はいりませんね」
「ただ受験して合格すれば」
「それで入学出来ますね」
「はい、誰でも」
 まさに誰でもだ、どんな出自の者でも日本国籍を持っていて合格すれば推薦文等なくとも入学出来るのが防衛大学なのだ。
「そう思いますと日本はリベラルなのですねえ
「ですから驚きました」
 アメリカ空軍士官学校出身のスペンサーからしてみるとだというのだ。
「本当に」
「そうでしたか」
「そして私はです」
 スペンサーはまた自分から話した、その話はというと。
「これから剣士としての戦いを降りて」
「結婚されてですね」
「はい、幸せになります」
 微笑んでの言葉だった、そうして。
 スペンサーは席を立った、そのうえでまだ席に座っている大石に顔を向けて微笑んでこう彼に言ったのだった。
「次からは友人としてお会いしましょう」
「是非共」
 大石は座ったままでは非礼に当たると思いそれで立ってだった、スペンサーに言葉を返したのであった。
 二人はこれで別れた、その足でだった。
 スペンサーは聡美達のところに向かった、聡美に携帯で連絡をすると彼女自身が声でこう言ってきたのだった。
「ではお会いする場所は」
「何処にされますか」
「八条大学の文学部の校舎前で」
 そこにしようというのだ。
「そこでどうでしょうか」
「八条大学ですか」
「遠いでしょうか」
「いえ、別に」 
 領事館は八条町にある、それで遠い筈がない。
 歩いても行ける、それで言うのだった。
「今から行きます」
「ではそこでお待ちしています」
「はい、そうして下さい」
 こうして話はあっさりと決まった、だが。
 その八条大学に入り文学部の校舎、駐輪場が校舎のところにあるそこに行くとだった。その前に一体の怪物がいた。
 三人の大柄な男が背中でつながりそれぞれの二本の手に槍を持っている。彼はその異様な男を見て言うのだった。
「ゲーリュオンですか」
『はい』
 あの声だった、セレネーの声が応えてきたのだ。
『その通りです』
「アルテミス女神達が待っていると思っていましたが」
「お姉様、まさか」
 ここでだった、スペンサーの前、怪物の背中側に聡美が出て来た。彼女の左右にはそれぞれ智子と豊香がいる。
 その聡美がだ、眉を顰めさ
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