プロローグその1:デバイスは小包で届けられました
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あろう大人達の姿を必死こいて探した。
「だれかあぁぁぁー!誰か助けて下さいッ!!」
大声を上げて助けを求める啓太、その台詞映画で聞いた事があるぁ、確か平井さんが主題歌の…。
足とか精神とかがそろそろ限界に近付いていた俺は、そんな事を考えてこの現実から逃げでしてやろうかと思った。
だって、こんな現実の方が現実じゃないじゃんか……。
やたらデカいブラック・モロもそうだし、人が誰も居ないのもそうだし、おまけに袋小路にぶち当たるとか、どんだけ神様俺達の事嫌いなんですか!?
完全に詰んだわこれ。
俺達は周りを覆う冷たいブロック塀に阻まれ絶望した。
後ろを振り向けば、ブラック・モロがのそりのそりと此方に近付く姿。
そう言えば、N○Kのドキュメントで見た事あるけど犬とか狼とかってめちゃんこスタミナがあって20キロとか平気で走るそうだ。
そんだけ獲物を走らせて、疲れさせて、逃げ場の無い所に追い込んでから止めを刺すとか、頭いいし何気にドSなんですね……。
「「あわ・・・あわわわわわわわ」」
マナーモードと化した俺と啓太は身を寄せ合ってガクブルと震えた。
情けないとか言わんでくれよ、死が間近に迫っているのに余裕な奴は余程鈍い奴なのか、若しくは漫画の主人公みたいな奴だけだ。
俺達は自慢じゃ無いが何処にでもいるごく普通の男の子だ、エスパーでもサイボーグでも超能力者でも、ましてや魔法使いでもない。
あ、エスパーと超能力者って一緒か…。
兎も角俺達は、普通だけが取り得の、特技も何にもない一般ピーポォの小学3年の男子なんです、食っても旨く無いんです、って言うか食ったら多分腹壊すってマジで!
と、俺が心の中でそう懇願した所で目の前の異常な現実が変わるわけも無く、ブラック・モロはそのデッカイ口をガバーっと開いて涎を垂らしていらっしゃった。
正に大チンピ、MAJIでKUWAれる5秒前、本当、誰でも良いからここに来て助けて…………。
ブラック・モロは身体をバネのように縮めると、アホみたいにぶっとい足で地面を蹴ってビョンと飛び跳ねた。
当然俺達に向かって。
「「アッーーーーー!!!!」」
スローモーションで再生されるみたいに、でっかくなっていくブラック・モロの姿。
このシーンにサッチモの『この素晴らしき世界』とか再生させたら中々絵になる……訳ないな。
襲い掛かるブラック・モロ、不条理で異常な現実。
恐怖と絶望を前に俺達は目を瞑った。
俺達は終わった。
と、思ったその時だった……。
≪プゥロテクショォォオオン!!≫
どこからともなくネットりとした癖のあるオッサンの声がしたかと思ったら、目の前にゲームや漫画で見たような銀色の魔法
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