プロローグその1:デバイスは小包で届けられました
[1/7]
前書き [1]次 最後 [2]次話
「君達は一体何者なんだ!?」
俺達の前でそうのたまったのは黄色っぽい色をした胴の長いケダモノだった。
曰くフェレットというイタチ科の動物らしいが、そんな事はどうだっていい。
問題なのはそいつが流暢な日本語で話してきやがる所にある。
「は?」
「んん?」
俺と友人は二人してなにが起こっているのか分からなくなっていた。
だってそうだろう、動物は本来喋らない。
フィクションならばいざ知らず、リアルな世界で動物に喋られたら誰だって思考が停止する筈だ。
頭がお花畑でも無い限り。
「なぁ、コイツいま喋った?」
夢かと思った俺はとりあえず隣に居る友人に確認してみる事にする。
「・・・あぁ多分、もの凄く流暢に」
暫しの間を置いて友人は答えた。
何だ良かった、おかしいのは俺だけじゃ無いみたいだ…。
「イタチって喋ったっけ?」
「知らん、でも化かすって聞くぞ?」
「確かに昔話とかで聞くよな」
「あスマン、イタチじゃなくてカワウソだった」
「似てるから良いんじゃね?」
「僕はイタチじゃない!!」
俺と友人が顔を合わせて交互にそう言っていると、イタチという言葉に何故か反応した『黄色いイタチっぽい動物』が突然キレ出した。
アレだ、猫型ロボットをタヌキ呼ばわりした時の反応みたいだな、と俺は思った。
「コホン……僕の事は今はどうでも良いんだ、それよりも君達が一体何者なのか教えてくれないかな?」
いや、俺達よりもアンタの方が色々とおかしいからね、喋るイタチっぽい動物なんてシートン先生もムツゴロウさんもビックリだよ?
という突っ込みは心の中に留めておいて、俺達はとりあえず自己紹介を含めて事の顛末を『イエローなイタチっぽいアニマル』に説明する事にした。
〜回想始め
海鳴市立第2小学校に通う一般的な日本男児である俺、名前『日野槍一(ひの・そういち)』は、解体業者に努める『泰三』を親父に持ち、聖祥大学の大学院で考古学を研究し、現在地球上のどっかに居る15歳も離れた『剣一』を兄に持つ小学3年生の9歳児である。
そんな俺にある日、地球のどっかで穴を掘ってる兄貴こと日野剣一から小包が届けられた。
伝票が見た事も無い文字で書かれている。
この文字どの文字気になる文字見た事も無い文字ですから見た事も無いヤツが住んでるんでしょう……。
――で。
幅20、高さ10の奥行15センチくらいの箱は軽く振ってみるとカラカラ音が鳴っており、俺はすぐさまこれは食い物とかじゃ無く、いつもの『兄貴の心遣い』である事が直感で分かった。
『兄貴の心遣い』というのは、変な物を発掘しては教授達の目を盗み、
前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ