4日目
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村によっていないのでね。手形をもっていないのだよ」
「ふふ、引っかかりましたねお兄さん。ここら近辺に寄ったとしても、旅人になんか手形を発行しませんよ。それにただの旅人なら安全なルートが記載されている地図を持っているためこのような場所に来るはずがないんです。つまり、このような場所にいるお兄さんんは“ただの”旅人ではないんです?」
ビシッ?そんな効果音が付きそうな勢いで指を突き付けてきた。
「………」
こちらの持つ情報の量が少なすぎた。そして、彼女自信を甘く見ていた自分に気づいた。
というよりも、私の彼女の印象といえば人の夕食を勝手に食べ、人にハンマーを突然振り下ろしてくるわけのわからない娘であった。
ましてや、今のように話の最中に鎌をかけてくるようなタイプではないと思っていた。
つまり、良く言えば素直、悪く言えばアホな娘というのが私が持っていた印象である。
「無言は推定の意としますよ、お兄さん?」
そういって首をかしげて聞いてきた。
くりくりっとした大きな目に亜麻色の少し癖のある髪の毛。少し小柄であるものの出るところはしっかりと出ている身体。一般的に言っても可愛らしい印象を持つ少女が首を傾げ私を見ている。その仕草は、見た目通り可愛らしかった―――しかし、一部分を除いて。
なぜか、彼女は今まで傍らに置いていたハンマーを片手にもっていた、まるで、否定は許さないというように―――。
「………認めよう。私が君の獲物を狩った。して、それを知って君はどうするんだね?」
「どうするかですか………そうですね………」
問いただしたあとの事を考えていなかったのか、少し思案しだした。
しかし、なぜ彼女が私にここまで食って掛かるのかわからなかった。
確かに、自分の獲物を他人にとられて面白くないのもわかるし、誰が狩ったか気になるのもわかる。
だが、わざわざ起こして問いただす必要もないであろう。
むしろ、自分の獲物が狩られていたのならば、さっさとこの場所から離れて、別の依頼を受けに行けばいいのではないのであろうか?そんな疑問を抱いた。
「では、こうしましょう。お兄さんには私がイャンクックを倒したと口裏を合わせてほしいのです。その代わり私がお兄さんに住むところを提供します」
「ほう………その条件は私になんのメリットはあるのかね?本来であれば、私は君に口裏を合わせなくてもいい、むしろ、私が倒したとして君が受け取るはずの討伐報酬を私が受け取ることで得られる利益の方が君の提案より理にかなっていると思うが?それに、私は旅人だといっているではないか」
「お兄さんのメリットですか?まず、住居を得られます。それから、仕事も得られますし、あとは………可愛い私がついてきます」
「住居ぐらいなら別に私は野宿でも構わないんだが?それに仕
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